サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

知事選挙ー久保山啓介さんと水俣病

 明日から県知事選挙が始まります。「あかるい熊本をつくる県民の会」から久保山啓介(日本共産党県委員長)が出馬を予定。現職の蒲島知事とイッキウチの様相です。
 私が知る久保山啓介さんを紹介しておきましょう。
 熊本は「クマモン」が有名ですが、実は久保山さんこそ「球磨ンもん」です。少年時代に球磨川の急流を泳いだ話はよく聞きました。
 澄み切った球磨川にもぐって魚を取った話です。川辺川ダムにストップをかけるために共産党として頑張ってきた背景に、そんな子ども期の体験があるのだと思います。
 中学から、野球をやっており、後年、ピッチャーでした。久保山さんの性格から想像すると、直球勝負です。おそらくカーブは投げなかっただろうと想像します。
 真っ向対決の人です。相当に頑張るタイプの人で、ほとんど弱音を吐かない人なんで、わたしなんぞは、とてもついていけない時もあります。相当な馬力の持ち主です。
 働きはじめた労働金庫時代。組合活動に熱心に取り組みました。民青の県委員長をされましたが、その後の後の後の県委員長を私です。
 久保山さんから一番よく聞かされたのは、水俣病のたたかいです。被害者の会で活動していた頃の話です。(当時の写真・左)
 「あだち君、どがんやって患者さんば見つけるかわかるなー?」
 「波止場にいくと漁師さんが、網を繕っとらす。手のぎこちなか人なー、と思う人は患者さんが多か」
「休憩してタバコば吸いよらすが、火が指にきてもわからん人がいる。そがん人はたいがい水俣病の人タイ。声ばかけて診察してもらった」
 「そっからなー、家ば訪ねた時になー、まず便所が貸してもらうとタイ。便所に、ロープを吊り下げとる家は患者さんが多か。足腰が麻痺しとるけん、ロープにつかまらんば、立ち上がりきらっさんとタイ」
 「体の具合がわるかったっちゃ自分から水俣病てにゃ言われん人ば、おったちゃー、そがんやって、患者さんば掘り起こしていったとタイ。むかしは差別と偏見がひどかったけんなー」
 水俣病のたたかいには多くの人が参加してきた。しかし当時の久保山さんたちのような地味な活動はあまり知られていない。もっと語られてしかるべきと思う。(写真・右)
 熊本県上告手続き 水俣病溝口訴訟(西日本)
  県は福岡高裁判決を不服とし、最高裁に上告受理を申し立てると発表した。
 蒲島知事は記者会見し「判決は認定制度の根幹に関わる問題で、行政の長として受け入れることは難しい」と述べたようだ。
 そもそも最高裁で国も県も水俣病拡大の責任があると断罪されている。第三者じゃない。加害者として罪を償う責任がある。沿岸地域の検診をして被害者に補償をするのが一般常識だろう。
 地域に特別の問題がある場合、他の課題はおいておいても、その問題解決だけは、誠心誠意とり組むのが自治体の長のあり方だ。
 被爆地の広島、長崎の市長で核兵器を許す発言をする人はいない。福島の知事は当然、原発反対だ。沖縄の知事も基地反対は表明はする。
 なぜ、数万人も被害を及ぼしてきた、現在も及ぼしている地域の知事が、水俣病で苦しむ人たちの立場に立てないのか?腹がたってしょうがない。
 結局、住民の立場に立つのか?国家の立場に立つのか?、他の問題にも鋭く問われる問題だ。