サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾有事と日本の危機」⑧台湾出兵150年

 台湾有事と日本の危機」(峯村健司著PHP新書)のつづきです。
 防衛問題を扱う場合、こんなことも知っておいた方がいいでしょう。
 「赤旗」(5/21)の平野久美子さんへのインタビューです。
 学校ではあまり教えられないし、多くの日本人は知らないだろう。
 でも台湾では、中学の歴史で原住民の勇敢な抵抗が教えられ多くは知っている。
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 1874年(明治7年)5月、今から150年前、西郷隆盛実弟西郷従道陸軍中将は、約3600人の兵を率いて台湾に攻め込んだ。
 江戸時代は、他国と戦争をする事はなかったが、これは近代日本で初の海外派兵だった。
 それ以来、アジア各地に出兵し、侵略戦争を行ってきた日本。最後は米国に奇襲攻撃をかけて負け、今度は米国の言いなりになる国に、自ら進んで。
 宮古島の船が遭難し、台湾南東部に漂着、乗組員が台湾原住民に殺害された悲劇と、日本軍の台湾出兵の二つを合わせて「牡丹事件」というようだ。しかし日本の台湾出兵は、将来の領有化をにらんでのことだった。
 日本軍の上陸後、原住民の抵抗は弓矢などで、戦闘は20日ほどで終わった。双方の死者は約40人。
 村を焼かれた原住民は山中に逃げ込み過酷な状態に置かれた。
 一方、日本兵マラリアなどで561人も亡くなった。これをどう?考えるか。
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 台湾の原住民は、古くは大陸からの抑圧も長く受けてきた歴史もある。沖縄もそれに近い。
 今、台湾をめぐり大国の覇権的争いが始まっている。
 歴史も振り返らず日本は、米国の先兵の役割と戦場の提供を行おうとしている。
 どんな国も、周辺だろうと、国境の地域、島々だろうと、その住民の思いこそ大事にすべきだ。
 離れたところから、自身が安全な所から、あれこれと指図すべきではない。犠牲を押しつけるべきではない。
 住民を真ん中においた話し合いこそ、外交のあり方、平和の道だと思う。