サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「台湾有事と日本の危機」⑦歴史と外交

 台湾有事と日本の危機」(峯村健司著PHP新書)のつづきです。
 峯村氏が劉明福氏に、台湾有事に米国が加入する可能性について聞いた事があり、これに対し「仮に米軍と衝突したとしても、我々には打ち負かす能力がある」さらに、
「米国が中国との全面戦争につながる軍事介入をする可能性は低い。なぜなら、米国にとって台湾は中国封じ込めの『一枚のカード』にすぎないからだ」と答えたという。
 それは常識でしょう。台湾は中国にとって内戦継続中の問題で、繰り返し米国の軍事的干渉で悔しい思いをしてきた。
 米国にとっては、国益のひとつであり、中国を疲弊させる駒に過ぎない。

 だが著者の峯村氏の思いは違い、「米軍が小規模な部隊しか台湾に派遣しなかった場合、自衛隊はどこまで関与するのか」
 「日本も台湾を見殺しにするのか」--日本政府は極めて難しい判断に迫られる、と言う。
 どうも、こういった考えの根底には、日本が参戦すれば、中国に勝てる‥‥
 日本国民の犠牲は、致し方ない‥と思っているのではないかと、と思わざるを得ない。
 このあたりが軍事アナリストの本質かもしれない。力の信奉だ。
 しかも米国の力信奉であって、過去の戦争や歴史も教訓にしない立場に思える。
 中国が台湾を併合した場合、自衛隊は台湾の中国軍と対峙することになる。
 「これは、日本が台湾を統治した1895年以来のことになる」と峯村氏は言うが、日本から見れば、 
ja.wikipedia.org
. だが、
 中国から見れば、どんなことだろうか?
 歴史観が問われる。
 アセアンの取り組みなど、外交の力を発揮しようとしない。