「戦前」の正体--愛国と神話の日本近現代史(辻田真佐憲著)の続きです。
第三章に「三韓征伐を再現せよ」について書かれている事を紹介したい。
戦前の軍歌や唱歌、校歌などには大陸に攻め込む歌た作られ盛んに歌われたようだ。
たくさん書いてある中で、陸軍将校のあいだでうたわれていた「八紘一宇の歌」を紹介しよう。
戦後生まれのこんな方もいるので。
しかも国会議員で、女性で。
.
(写真:日本軍の航空基地に掲げられた「八紘一宇」の旗印。航空兵に対し「肇国の精神」実現のスローガンになっていた。Wikipedia)
www.nikkan-gendai.com
.
赤い血潮で 日の丸染めて
世界統一 してみたい
万里の長城で 小便すれば
ゴビの砂漠に 虹がたつ
志那や蒙古の 子供が唄う
愛国行進曲 調子はずれ
ギャング絶えたる シカゴの町で
孫が詣る 忠魂碑
駱駝泣く泣く サハラの砂漠で
獅子を日本刀で 試斬る
霧の晴たる ロンドンの町で
高く昇るや 鯉のぼり
いろいろな歌詞があるようだが動画のようにも歌われていた。
今から見れば下品きわまりないが、戦争指導者らにとって、徴兵された侵略兵士のすさんだ心を調子づけるには良かったかもしれない。
戦場となった住民はどんな思いでこの歌を聞いただろう。
日本でも聞かれない歌になったが、中国やモンゴル、アメリカ、中東、イギリスで、いま歌ってみたらいい。
.
www.youtube.com
www.youtube.com
で、今も堂々と自衛隊で歌われている。
歌詞のとおり、海に浮かぶ屍、飢えと病気で息絶えた密林の屍。
大君とは、天皇の事で、天皇のそばで死のうという意味だ。
自衛隊員たちは、本当の歌詞の意味を知り、思いを込めての演奏・歌だろうか?
そして、象徴天皇制の下で、この歌を自衛隊に歌われて、今の天皇はどういう思いだろうか。
そのことを想像することはあるのだろうか?
.
明治憲法下の天皇制から日本国憲法化の象徴天皇制へと移ったが、移りたくない人々がこの日本を動かし、再び‥‥。