サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

愛国と神話の日本近現代史③ 「神の国」日本

「戦前」の正体--愛国と神話の日本近現代史(辻田真佐憲著)の続きです。
 「神の国」日本。 ンな訳ないけど、信じる人は信じている。
 先の戦争で「神風」吹かなかったことを知っているとしても。(写真:神武天皇-ウィキ)
 古今東西、どんな国家でも権力作用として宗教を利用し、権力肯定の物語として、それを多くの人に信じ込ませてきた。
 そして自分の国こそが、自分の宗教こそが、一番だと信じ、排他的になりやすいのも歴史が示すところだろう。
 江戸の武士時代から近代化を進めるため、天皇のものが語りが利用された。
 日本は他国と違い、神武天皇の子孫によって統治される万世一系、男系男子の国。「君が代」の歌詞はそうなっている。教育勅語もそう。
 これは著者によれば、幕末の後期水戸学の考え、上下の秩序を重んじを引きつぐものらしい。上は天皇という事になる。
 教育勅語に熱心な県は熊本県らしい。菊池神社健軍神社護国神社阿蘇神社、人吉市青井阿蘇神社山鹿市大宮神社それぞれに、菊の御紋とともに原文が刻まれた記念碑があるようだ。
 それは日本帝国憲法に、「万世一系」を皇室典範に「男系男子」を書き入れた井上毅が熊本出身だったからだ。
 この流れで、「女性天皇」「女系天皇」が排され、今や天皇家の存続問題にも絡んでいる。実は女子天皇は、江戸時代まで8人いたそうだ。
 天皇家の伝統ではないし、いろいろな議論があったらしいが、明治の近代化に際し、日本は特別な国とするため「万世一系、男系男子」が採用されたようだ。つまり統治や支配のためだ。なのでジェンダー平等、夫婦選択別姓ほか、自民党保守系は反対ばかりしている。
 ただなぁ。
 この少子化時代、環境ホルモンの影響もあるなか、子を産め、それも男の子を、と言われても、女性には強いストレスになるばかり‥。
 ま、主権者の国民が女性・女性天皇でもいいとの望めば、政治が変わり、制度も変わってくる。