「戦前」の正体--愛国と神話の日本近現代史(辻田真佐憲著)の続きです。
「神の国」日本。 ンな訳ないけど、信じる人は信じている。
先の戦争で「神風」吹かなかったことを知っているとしても。(写真:神武天皇-ウィキ)
古今東西、どんな国家でも権力作用として宗教を利用し、権力肯定の物語として、それを多くの人に信じ込ませてきた。
そして自分の国こそが、自分の宗教こそが、一番だと信じ、排他的になりやすいのも歴史が示すところだろう。
江戸の武士時代から近代化を進めるため、天皇のものが語りが利用された。
日本は他国と違い、神武天皇の子孫によって統治される万世一系、男系男子の国。「君が代」の歌詞はそうなっている。教育勅語もそう。
これは著者によれば、幕末の後期水戸学の考え、上下の秩序を重んじを引きつぐものらしい。上は天皇という事になる。
教育勅語に熱心な県は熊本県らしい。菊池神社、健軍神社、護国神社、阿蘇神社、人吉市の青井阿蘇神社、山鹿市の大宮神社それぞれに、菊の御紋とともに原文が刻まれた記念碑があるようだ。
それは日本帝国憲法に、「万世一系」を皇室典範に「男系男子」を書き入れた井上毅が熊本出身だったからだ。
この流れで、「女性天皇」「女系天皇」が排され、今や天皇家の存続問題にも絡んでいる。実は女子天皇は、江戸時代まで8人いたそうだ。
天皇家の伝統ではないし、いろいろな議論があったらしいが、明治の近代化に際し、日本は特別な国とするため「万世一系、男系男子」が採用されたようだ。つまり統治や支配のためだ。なのでジェンダー平等、夫婦選択別姓ほか、自民党、保守系は反対ばかりしている。
ただなぁ。
この少子化時代、環境ホルモンの影響もあるなか、子を産め、それも男の子を、と言われても、女性には強いストレスになるばかり‥。
ま、主権者の国民が女性・女性天皇でもいいとの望めば、政治が変わり、制度も変わってくる。