サスティナビリティ考

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「戦前」の正体--愛国と神話の日本近現代史①

「戦前」の正体--愛国と神話の日本近現代史(講談新書)辻田真佐憲著を読んだ。
 知らないことが多く、なかなか面白かった。
 神話は、自民党の一部の政治家の発言にもみられるように、政治や教育への影響が出ている。
 明治維新から先のアジア・太平洋戦争まで77年、その敗戦から昨年までで77年。
 戦後が半分を占めたが、明治からの日本の国造りに大きな影響を与えたのが神話。神話を利用して、江戸時代の社会意識を変化させ、天皇中心の国民統治を行ってきた。
 神話なので科学的でもなんでもなく、奇想天外だが、国民はこれを信じ、信じさせられてきた。
 本の最後の方に三種の神器」を心配した昭和天皇の項目がある。
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 ウィキ→三種の神器は、日本神話において、天孫降臨の際にアマテラス(天照大神)がニニギ(瓊瓊杵尊邇邇芸命)に授けた三種類の宝物、すなわち八咫鏡天叢雲剣草薙剣)・八尺瓊勾玉の総称[3][4]。また、これと同一とされる、日本の歴代天皇が古代よりレガリアとして伝世してきた三種類の宝物を指す。
 この所持が天皇皇位継承の証とされる。
 2600年以上続いたとされるこの継承が心配されたのが、先の大戦で米軍に占領された際に、どう扱われるか?だった。天皇家にとって「お家のお取りつぶし」となる大問題だ。
 当時の天皇昭和天皇。戦争を始めたのも昭和天皇。その天皇は7月25日に、内大臣木戸幸一にこう述べている。
「パラシュート部隊が降下してきて、大本営が捕虜になることもありうる。そこで真剣に考えるべきは三種の神器だ」
 さらに伊勢神宮がある宇治山田市が空襲されると、29日、「伊勢と熱田の神器は結局自分の身近に御移して御守りするのが、一番よいと思ふ。万一の場合には、自分が御守りして運命を共にする外ないと思ふ」
 著者の辻田真佐憲によれば、『古事記』と『日本書紀』の総称である記紀では、三種の神器はそんなに重んじられていないのに、神話は、天皇自身も本気で信じるようになったと、述べている。
 もちろん国民は、家来なので、二の次。
 でも今は憲法が変わり、天皇は国民統合の象徴なので、今の天皇は国民を大事に思っていると思う。その方が天皇家も安泰だと‥‥。