サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

天皇陛下の「ご感想」(新年に当たり)

 私、天皇の新年の「ご感想」などを、真剣に読むなどという事は58年間、1回もありませんでした。
 今年は、戦後70年のためか天皇の「ご感想」がちょっと話題になっています。紹介したいと思います。
 天皇家であっても、戦争を体験した世代として、そして今の時代の流れとの関係でも、よくよく考えられたもと、心から敬意を表したいと思います。

 天皇陛下のご感想(新年に当たり) 宮内庁HP
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 昨年は大雪や大雨,さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ,家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
 また,東日本大震災からは4度目の冬になり,放射能汚染により,かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時,それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ,地域を守っていくことが,いかに重要かということを感じています。
 本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。
 この1年が,我が国の人々,そして世界の人々にとり,幸せな年となることを心より祈ります。
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 「満州事変に始まる戦争の歴史を十分に学び…」とあります。 そして、「今後の日本のあり方を考えていくこと…」となっています。過去の「ご感想」にはなかったことです。これは、よほどの思い、現状への危機感の表れとも推察します。
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 安倍首相は、これをどう思った?ことでしょう。また「日本会議」「神道政治連盟」、関連する議員連盟の方々はどうでしょうか? 本当に天皇のことを考えているのかどうか?疑わしく思います。
 昭和天皇すら靖国神社に参拝しなくなって、今の天皇も参拝しないのに、それに逆らうように、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」などの動きがあります。戦前なら不敬罪でタイホでしょう。
 なんとはなしの天皇政治利用と、それに抵抗する姿がここにあると思います。大手メディアは、矛盾と対立について、ほとんど報道しませんけど…。
宮内庁は⇒天皇の地位について、しっかり憲法の規定を守ろうとしています。
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 過去の「ご感想」も紹介します。
<平成18年>
 昨年は,終戦から60年の年に当たりました。先の大戦では日本人310万人が亡くなり,また,外国人にも多くの犠牲者が生じました。私どもは戦争で亡くなった人々のことを決して忘れることなく,この多くの犠牲の上に今日の日本が築かれたことに思いを致さねばなりません。
 暮れになって降り始めた大雪で,各地で大きな被害が生じています。そのために20人を超える人々が亡くなったことを本当に残念に思います。自然災害の被害を受けた地域で,避難生活を続けている人々のことが案じられます。また,帰島を果たした三宅島の人々,帰島を果たせずにいる人々が共に健康を保つよう願っています。
 新しい年が皆一人一人にとって幸せなものであることを祈り,より良い社会を作るために皆が助け合って力を尽くしていくことを心から念じています。

<平成7年>
 新しい年が,日本及び世界の人々にとって,幸せな年であるよう願っています。
 50年前,日本の国民は最も厳しい戦争の終局を迎え,戦後は困難な復興を果たしつつ,世界の国々との関係の改善に尽してきました。この節目の年にあたり,過去を振り返り,戦争の犠牲者に思いをいたすとともに,今日の繁栄を築いた人々の労苦をしのび,改めて世界の平和を祈りたいと思います。