サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

シュミレーション日本降伏③ 地上戦決戦思想?

 シュミレーション日本降伏のつづきです。
 なぜ「島しょ防衛」を国防の根幹に据えないのか? 著者は解説する。
 一つは、「島しょ防衛の鉄則」だと、海自、空自が優先で、副次の扱いを受ける陸自が許さないということ。戦前、陸軍と海軍の予算獲得争いがあった。大陸進出を進める日本軍にとって陸軍拡大の歴史もあった。(進出ではなく侵略)
 先の戦争のように、島しょ防衛で米軍を消耗させる作戦。沖縄戦硫黄島ほか、地上戦決戦の考えが抜けないのだという。
  なるほど、そんな風にも思える。
 だが砲艦外交があるように、海軍は自国防衛ではなく対外侵略的な動機があるのも事実だ。米国の海軍も空軍も、他国爆撃、武力介入以外になく、自国防衛の歴史はない。
 二つ目に、憲法9条専守防衛という国防思想を浸透させてしまった、とする。
 外敵が日本を(自衛隊を)攻撃してきた、それが明白になった(着手)段階で初めて迎撃する考えで、それでは遅いという。これが領土内決戦の考え方となって「島しょ」を奪われたあとで、「奪還」する戦略になっているという。
 その際、米国は援軍を送り込まないと著者はいう。フォークランド戦争の時、同盟国イギリスへの援軍が米国はしなかった例をあげる。
 フォークランと違い、日本には最大最強の対外侵略部隊の米軍がある。その米軍は、基地を無償提供してもらい、思いやり予算ももらい、やりたい放題の訓練場を提供してもらっている日本を、その利益を失ってもよしとはしないだろう。権益を守るために日本を守る。
 あるとすれば、米国本国に核ミサイルが飛んでくるときだろう。その時は、本国国民を優先し、さっさと日本は捨て去る。それで国益の考えは一貫している。
 それにしても、「島しょを奪われ」、その後に「島しょ奪還」する論は、あまりにも稚拙だ。基本を外れすぎで、司令官の米軍が認めないと思うのだが‥。著者言う以外に何かあるのでは?
 米軍の戦略上、何かがある気がする。もう少し調べたい。先の戦争で無条件降伏以来、米軍支配は絶対的で、積極的に支配を受ける国家・社会に成り下がっている。

 
 先の戦争、本土の決戦は避けられたが、市民的教訓は?導き出されているのか?