サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾有事と日本の安全保障④ 米国の安保戦略ASB

 台湾有事と日本の安全保障のつづきです。
 米戦略の基本はエア・シー・バトル構想です。
 中国側の防衛戦略について、米国が名付けた接近阻止・領域拒否( A2/AD)を突破する作戦。
 この本で、日本にも直接的影響を与える(P79)作戦構想と書いてあるのは問題です。
「米中対決の大規模戦争であり、戦場は第1列島線や第2列島線を含むアジア・太平洋地域です。当然ながら、第1列島線を構成する我が国も在日米軍基地を中心として戦場になります」とある。(図は第1第2列島線:ウィキペディアより)
 米中戦争は、自動的に日本が戦場になり自衛隊員が戦闘し、日本の住民も巻き込まれ被害を受けることを当然視している。
 ここには、軍事同盟の懸念→「巻き込まれ戦争」の危険をいとわないと堂々と表明している。
 自衛隊は、国民を守る部隊ではないのか? とも疑問がわく。
 米国が中国と戦争をしても、中国が日本を攻撃してくるなら防衛する必要があるが、そうでない場合、日本を戦場にする必要はない。
 なぜなら米中が戦争をしても、米国は戦場にならない。中国と日本をアジアの関係諸国は戦場になり、国民に犠牲がでる。米国民には、太平洋に向こうで安全な暮らしをする。
 それが前提の米国の戦争だ。歴史的に見ても米国は本国での戦闘はしたことがない。米国はズルい。
 しかし、「力VS力」の考えで日本の指導者は、米国の対中戦略の下で、国土を戦場にし、国民も犠牲にし、勝つつもりでいる。相手国は、やがてGDPで米国を上回る経済大国・技術大国の中国だ。戦争回避こそ指導者の最大の仕事だ。
 本格的戦争となり、米国本土までミサイルが及ぶような事態になったら、米国は日本を見捨てる。本国の選挙民より大事なものはない。「見捨てられ不安」から、日本の指導者はますます米国に従属する。