ドーナツ経済のつづきです。
ケイト氏、「システムに精通する」の章でニュートンを登場させている。
1666年、若き科学者だっがニュートンは、母親の家の庭に座っていたとき、木からリンゴが落ちるのを見て驚いた。
リンゴは、なぜいつも、横や上でなく、下に向かうのか?
そう思いつく事がスゴイことで、そこからニュートンは重力、万有引力の法則を考え発見した。
そこでケイト氏、「もし、若きニュートンが-----リンゴが落ちる前に---リンゴの成長に驚いていたら、どうなっていただろうか」?と考える。この発想も面白い。
「木と蜂、太陽と葉、根と雨、花と種のあいだの刻々と変わる見事な相互作用に驚いていたら」?、と。
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これまでの経済学者が、ニュートンの運動法則をまねて、数学的な機械システム的な「市場」経済学をつくり、現在も支配的になっていることを批判している。格差と貧困の拡大、なにより地球環境の破壊…‥‥を起こす要因となっている経済学を。
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人類が滅亡の危機に瀕する21世紀の時代に求められる経済学は、ローカルもグローバルも、分配的で環境再生的なものに変えることに、自分たちの知見を総動員すること。
「ニュートンが現代に生きていたら、きっとリンゴを片手にこの課題に取り組んでいただろう」とケイト氏は結ぶ。