サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

惑星の物質代謝② エコロジー

 斎藤幸平さんの「大洪水の前に」のつづきです。(引用しながら)
 マルクスの「物質代謝」は、自然に働きかけ改変する労働過程の中でしかとらえていなかった。なので私は、マルクスの「物質循環」の意味合いは、地球システムよりも狭い考えていた。
 ところが私の考えが違っていた。
 エルンスト・ヘッケルが「エコロジー」という言葉を生み出す前は、植物、動物そして人間を織りなす相対関連を「物質代謝」と呼び、哲学や経済学の領域にも適用されていたようだ。知らなかった。だからマルクスが「物質代謝」という言葉を、エコロジーとして捉えてもいいようだ。
f:id:adayasu:20200604192534j:plain:w200:right で、「マルクスは、『物質代謝』を経済学批判の重要概念として用い人間も他の生物と同様に、自然によって制約を受け、自然法則的な生理学的事実に服している一方で、人間は他の動物と異なり、『労働』を媒介として、『意識的』かつ『合目的的』に外界に関わることができる。そのため人間は、ほかの動物よりも『自由』な形で自然との物質代謝を取り結ぶことができる」--なんだと。
 現在の地球環境問題を考える際に、「前資本主義社会と比較して資本主義が極めて深刻な環境破壊を引き起こすようになっているのは、単に生産力が飛躍的に増大したという理由だけではなく、むしろ人間と自然の物質代謝を媒介する労働が質的に変容していることが重要」と説く。なるほど。

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