サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

斎藤幸平への批判論考


斎藤幸平著『大洪水の前に』と『人新世の「資本論」』によせて 太田仁樹岡山大名誉教授論文を読んだ。なるほど。
 斎藤幸平氏に対する批判なかで、今まで私が目にした中で一番紳士的で、賛同する点は賛同し、批判は批判する丁寧で説得力ある内容だった。
 太田氏は、「大洪水の前に」は認め、それが「人新世--」では、「兆候的読み方」で自分に同調しない要素を排除していると批判する。いわゆる「我田引水」、都合の良い解釈。このあたり、ぜひ、マルクス解釈は学問的な議論で大いに進めてほしい、斎藤さんには太田氏の論文に意見を書いてもらいたいと思う。
 たぶん斎藤氏の本の角度にもよると思う。「人新世--」は、集英社の編集もあり、販売戦略もそうとうなものだった。でも、それが悪いとばかりとは言えないと思う。
 最近これほどマルクス資本論を話題にし、それを広げた人は斎藤氏以外にいない。人新世、グローバルサウス、脱成長、ブルシットジョブ、グリーンウォッシュなど、新しい言葉を知らせた。
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 太田氏、斎藤氏の動画や対談、インタビューなど、どれほどご覧になられているだろうか。下の動画、学者っぽくない出演だけど、今日の日本の、人類の直面する緊急かつ最重要課題の断面を若い人たちを共有しようとしている。
 斎藤氏が訴えている人類の直面する地球環境の課題、マルクス主義者こそ解決への分析・研究をすべきではないかと強く思う。
 マルクスは、家族といっしょに亡命せざるを得なかった貧乏学者で、大学教授にもなれず、生活費を稼ぐためにジャーナリストもやったし、思想家でもあり、哲学、経済学者でもあり、労働運動や政治団体も援助指導した革命家でもあった。極めて行動的実践的な学者。
 斎藤氏は、現実世界にあれこれやっていて、好感できる。
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