サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

参政党の憲法案

 参政党の「新日本憲法」(構想案)なるものを読んだ。
 これが憲法の案と言えるような構成なのか? よくわからない。外見的立憲主義とも呼べない代物。全く倒錯している。
 憲法で一番大事な主権の所在については、国民でなく、「国は主権を有し~」とある。
 つまり国民主権でなく国家主権となり戦前と同じ。主権者国民が国家権力に枠をはめる立憲主義をなくす立場。
 「前文」で、「国民の生活は、社会の公益が確保されることによって成り立つ」とされ、権利の基盤として公益を守り、強化するとして、国家が国民に命令するものになる。
 すべてが上から、国家から下を統率する感じだ。これは日本国憲法よりも中国の憲法にちかい。
 こういったことを支持者は理解しているのだろうか?
 第5条に国民の要件が書いてあり、「~日本を大切にする心を有することを基準として、法律で定める」とある。
 「日本を大切にする心」って、いったいなに? 誰がどう?心を判断する?。
 この「日本」とは国家を意味し、郷土や自然や文化、暮らす人々を意味しない。

 大日本帝国憲法下では国家指導者が、侵略戦争に国民を総動員し、他国民を殺戮し、敗戦を長引かせ、国民に多大な犠牲を強いた。
 その流れをくむ多くの指導者は、自民党政権として戦後日本の政治を仕切ってきた。
 戦争を仕掛け、負けた相手、米国のいいなりになっている愚かしさ。代表ももとは、自民党の地方議員だったし、根は同じ。
 参政党の主張に、アメリカの日本支配の認識はないようだ。
 食料自給率100%は言うが、米国の農産物輸入については、言えないようだ。
 
 大日本帝国憲法への先祖返りの感じだ。
 天皇を日本の元首にするそうだが、これは現天皇でもお断りしたいところだろう。残念なことに、思うことはできても、天皇にそんな発言は憲法上許されていない。
 つまり参政党は、本当に天皇の事を思っているのではなく、明治憲法下の軍国主義天皇制を実現したいのだろうだけなのだろう。
 彼らの天皇像は、明治憲法下の天皇制にあるようだ。

 少なくない支持者を引き付けている自然観や食やの考えは、受け入れやすいかもしれない。
 しかし原発は推進だ。この猛暑のの中、温暖化、気候対策にも懐疑的だ。
 政策を見ると、「未だ科学的な議論の余地がある地球温暖化問題~」とある。ICPPの報告は読んだのか?読んだうえで科学的な反論ができるのか?
 7月の気温、実際の猛暑、森林火災、海面上昇、氷床融解、温室効果ガス排出と濃度の上昇の観測をどう否定するのか?


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