サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

マルクスとアソシエーション① 

 田畑実著の「マルクスとアソシエーション」を読んだ。
 25年も前に出された本が元で増補版が2015年で出されている。
f:id:adayasu:20220101210816j:plain:left 「マルクスとアソシエーション」、、こんな本は全く知らなかったが、斎藤幸平氏が影響を受けたと日経の「半歩遅れの読書術」で知った。2700円と高く、難しそう、と迷った末に買ってしまった。
 思ったよりかなり難しく、わからないまま飛ばし読みでなんとか読んだ。
 アソシエーション(association)って、「共通の目的や関心をもつ人々が、自発的に作る集団や組織で、学校・教会・会社・組合など」と訳されるようだが、様々な分野において広い意味になるようだ。コミュニティー・共同体の意味合い近いようだ。
 田畑氏らは、1980年代の「東欧革命」、1989年にソ連が崩壊し、社会主義が失敗に終わった、とされる頃、「マルクスの再読」をはじめ、マルクスが生涯にわたって頻繁に使ったアソシエーションの整理・概念化をすすめた。
 私が習い現在まで認識している「科学的」な社会主義論とは違うマルクス像があるとは全く知らなかったし、誰も教えてくれなかった。
 増補部分の〔8〕アソシエーションの項で田畑氏は、大月書店のマルクス・エンゲルス全集では、アソシエーションに20の違う訳語があり、基本概念としての統一性がないと指摘する。
 また、「資本論」には、「コンバインな労働」と「アソシエイトした労働」をともに「結合された労働」と訳出すという致命的な無理解と誤訳とも指摘する。その「コンバインな労働」は、資本による労働の結合の方で、アソシエイトした労働の対極にある。
 レーニン社会民主主義と決別するとき、マルクスの1840~50年代の一時期、国家集権的権威主義的過渡期論をクローズアップしたしたようだ。それはドイツの3月革命の条件下の事だが、その時期でもマルクスは、運動の組織過程と未来社会の連続税をアソシエーション概念で理解していたと田畑氏は解説する。
 ソ連の「社会主義」、現在の中国の「社会主義」に連なる国家主義的な「社会主義」論の理論付け的な誤りの流れがここにあるように思える。 

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 そうでした、今日は新年おめでとうございますでした。
 来年も、10年後も100年後も500年後も、新年おめでとうございますと言えるように、2022年、頑張らないと。人類総体として、差異ある。