サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

人新世の資本論⑨ 地球をコモンとして

 斉藤幸平の「人新世の資本論」のつづきです。
f:id:adayasu:20201004184328j:plain:w200:right 現在、人間の無限の経済成長の活動が地球の限界とぶつかって、劇的な地球環境の変動が起こり、破綻しかかっている。
 その解決方としての経済成長主義・気候ケインズ主義に、斉藤氏はギモンをなげかける。
 危機回避には、経済成長から脱経済成長へと向かい、地球の限界内での活動にとどめる必要があるが、それは利潤追求が本質の資本主義ではできない。システムの転換が必要で、斉藤氏はそれを「コモン」として描く。
 「コモンとは社会的に人々に共有され、管理されるべき富のこと。水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理する事を目指す」。
 宇沢弘文の「社会的共通資本」と同じようなイメージだが、このコモンは専門家任せでなく、市民が民主的・水平的に共同管理に参加することを重視する。そして、このコモンの領域をどんどん拡張し、資本主義の超克をめざすことに大きな違いがある。
 脱成長コミュニズム
 トマ・ピケティ。「21世紀の資本」がベストセラーになり有名になった。昨年に刊行された「資本とイデオロギー」でピケティは、「現存の資本主義システムを超克できるし、21世紀の新しい参加型社会主義の輪郭を描くこともできると私は確信している。つまり、新しいsy快適所有、教育、知と権力の共有に依拠した新しい普遍的で、平等主義的な未来像を描くことはできるのだ」と書いている。はっきりと社会主義への方向へ舵をきった。
 私はまだピケティは、読んでいない。