「人新世の資本論」の続きです。
プラネタリウム・バウンダリー=「地球の限界」という言葉があります。
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人類が、とりわけ産業革命以来、どれほど生産し、消費し、廃棄し、地球システムに影響を与えてきたか?
WWFジャパンのhttps://www.wwf.or.jp/activities/data/201810lpr2018_jpn_sum.pdf#searchの資料から紹介します。
温室効果ガスの濃度上昇、気温上昇、海洋酸性化、熱帯雨林の消失、陸上・海洋生物圏の劣化など、とどまることを知らない負荷を与えている。
まさに限界を迎えているか、もうすでに超えているといわなければならない。
その要因として、人口、GDP、エネルギー、交通、肥料、国際観光など、人類活動の飛躍的な上昇がある。
これほどの物質的生産と消費・廃棄があるのに、人々は本当に幸せなのか?
私たちは毎日毎日、無数の広告を見せられ、感情を、欲望を刺激され、商品を欲しがっている。本当に必要ではないものまで買って、少し使って捨て、また食べ散らかし、またまだ食べられるものまで捨てている。
そしてその商品を買うために、長時間労働に追い立てられ、家族とゆっくり食事をし、子どもと遊び、余暇と楽しむ時間も奪われている。
未来をみれば、温暖化がある一線を越えて暴走し、灼熱地球、河川と海からの洪水、多様な生物種の絶滅、水と食料を確保ができない子どもたちを想像できる。
犠牲の多くは、未来では子どもたちに、現在では途上国や先住民など、弱い立場の人たち。
こんな社会の根源に資本主義の経済社会システムがあり、これを変えないと地球と人類の危機は回避できない。

- 作者:斎藤 幸平
- 発売日: 2020/09/17
- メディア: 新書