昨日のつづきです。
「特高」にも、いろいろな人がいたんだなー。と思いました。
井形さんは、戦後、新聞にいろいろな投稿を始める。
ところが戦前、「特高」として、「投書抑え係」だった自分の投稿が検閲されることになる。占領下、米軍の指令によって。
権力というのは、いつの時代、どんな社会でも都合の悪い事を抑え込もうとする。
本の中の「解説」で、大日方澄夫早稲田大学教授は、戦後4800人もいた「特高」は罷免されたものの、戦後の公安警察へのと引き継がれた経過を次のように紹介する。
「私の管轄下のある県では、14人の警察署長のうち7人まで戦時中、特高関係にいた男だった。5ヵ月前、我々は特高関係の連中を追放する指令を出したが、日本側ではどうしたか知らないが、ともかくそれを嗅ぎつけた。そしてその指令が出る直前この連中は辞職した。日本側は、これで彼らの履歴は無傷だと主張する。日本政府はすぐさまその連中を警察署長に任命した」。と、1946年2月22日、GHQ関西地方の軍政部長が米記者マーク・ゲインに語っている。
また元特高課長の秦重徳はゲイン記者に「現在我々の仲間のほとんど全部が重要な職に復帰しています。文部省にいるものも厚生省にいるものもいます。労働局長もその1人です。商工省にいるものもいます。農林省には、薪炭課長もいれて6、7人いるでしょうか」と。
こうやって戦前の政治警察が戦後も引き継がれ、冤罪をつくり出したり、私たちを調べたり、時には不当逮捕すら狙っている。当然、このブログもウォッチ。そんな価値はないか。