私、へそ曲がり人間でして、どうもですね、SDGsは、持続可能な開発の「開発」に抵抗感があるんです。
あの17色のカラフルさが広告的に目立ってしまって、あまり好きになれない感じです。
SDGs=持続可能なため、開発からの撤退がふさわしいと、考えてしまいます。
この表は各国のSDGsの達成状況です。さすが北欧が上位に並びEU諸国などがつづいています。アフリカなどの国々は困難を抱え苦労しています。
ですが次の図をみると複雑な気持ちになります。概して豊かな国の国民の環境負荷がきわめて大きい。
地域別の国別の一人当たりのエコロジカル・フットプリントとHDI(人間開発指数-所得や教育や余命など)を表しています。
人間開発指数が高い豊かな国は環境負荷=エコロジカル・フットプリントが高いことを示している。
つまり環境負荷を地球全体にかけながら豊かになっている先進国の姿が見えます。気候変動の被害は貧しい国、人々を最初に襲う。
そして豊かな国においても富裕層の一人当たりの環境負荷が大きく、プライベートジェットを乗り回す富裕層などは極めて環境負荷が高い。したがって環境負荷の程度によって、差異ある責任を取ることが必要だ。
例えば世界で最も豊かな上位10%の世帯の温室効果ガスの排出は、世界全体の45%に相当する。
社会的経済的SDGsと環境的SDGsの双方を考慮する必要があり、地球環境の負荷が人類の生存を脅かしているならこちらの負担割合を高くするのが当然だろう。
加えて人口増問題が横たわる。世界の人口が30億人ほどならまだしも、現在77億人が予測以上に増え続け、今世紀中には112億人になる可能性もある。多様な生物種の中で、ただサピエンスだけが限界を知らないほどに数が増えて地球と生態系が持つはずがない。
人間の地球との関係では、自然、生態系の回復、開発からの撤退が必要と思う。北極圏、南極圏、砂漠地帯、熱帯地域、海底、大気、宇宙含め、開発から撤退が持続可能にふさわしい。撤退し、自然を回復させ、元の戻すことが必要だ。
ローマクラブ「成長の限界」から半世紀-COME ON 目を覚まそうから、紹介・引用(図)
ローマクラブ『成長の限界』から半世紀 Come On! 目を覚まそう! ――環境危機を迎えた「人新世」をどう生きるか?
- 作者:エルンスト・フォン・ワイツゼッカー,アンダース・ワイクマン
- 発売日: 2019/12/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)