サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

資本主義VS気候変動⑥ 先住民のたたかい

 グレタさんが時々、先住民の事を話すが、ナオミ・クラインのこの本で、その意味がよく分かった。
 石炭、石油、天然ガスなど化石燃料の採掘は、在来型から非在来型へと移ってきている。サンドオイルやシェールガス・オイル、海底油田、北極域開発などだ。
 そんなところは熱帯雨林の地域も含め、多くは先住民が暮らす地域と重なり、彼ら生活や文化を脅かしている。
 これ以上、化石燃料採掘と燃焼を食い止めるため、開発に抵抗している先住民のたたかいが極めて重要ということになる。
f:id:adayasu:20200328195029j:plain:w170:right ナオミ・クラインは、世界各地の先住民のたたかいを紹介している。失業率も高く貧困地域でもある彼らにとって採掘産業は生活の糧となる仕事を得る機会となる。地域としては、土地を守るか生活かの悩ましい矛盾の中におかれる。
www.afpbb.com

 ここでも新しい動きは、地域密着の再エネ普及だ。地域で作り地域が活用し、利益もでる再エネ発電事業だ。
 人間、自然の征服者を気取るか、自然とともに自然の中で生きて行くのか問われている。
「自分がどこに住むかをよく考え、いつ太陽が出て風が吹くか、いつどこで流れが急か緩やかか、といったことに注意を払って生活する」―不便のようだが、熱帯雨林を切り開いたり薬品でフラッキングを行い地下水を汚染しながらシェールガスを取り出し、地球温暖化を加速するよりよほどマシだ。
 それに、現代人は幸福を勘違いしているかもしれない。自然とともにあってこそ幸せであり、それを感じる事もできるはずだ。
ourworld.unu.edu
 これ以上の温室効果ガス排出を増やさないためには、非在来型の化石燃料開発に抵抗する人たち、先住民を支援する事が大事だ。

 この本でよく出てくる言葉に採取・搾取主義がある。初めて知った言葉です。
採取は、自然や生態系からの異常な収奪であり、これが地球環境の限界にきている。
搾取は、資本主義的搾取。貧困と格差の広がり一方で、富裕層、多国籍巨大企業の富の蓄積。地球環境回復・気候危機回避には、関連したこの2つとのたたかいが必要、そのとおりと思う。
adayasu.hatenablog.com