著名人、元検察官僚などを筆頭に世論が盛り上がり支持率が急落し、安倍政権は検察庁定年延長を今国会では断念した。今回、国民は世論の力を体験、とても良い機会だった。
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さて、ナオミ・クラインの資本主義VS気候変動-上下をやっと読み終えた。集中力の衰えもあり内容を十分理解できなかったが、資本主義と地球環境問題を鋭く考察しており、もっと早くこの本を知り読んでおくべきだったと思った。
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「女性が最初の環境だというのは原初の教えです。妊娠中、私たち女性の体は命を守り育てます。…新しい世代は常に女性の胸で育まれます。それぞれの世代が社会との間に、また自然と人間との間にもつ関係はともに女性の体から始まったものです。この意味で地球は私たちの母だと昔の人は教えてくれたのです。この意味で女性は大地なのです」―カツィ・クック(モホークの産婆)の言葉を最後の方の13章で引用している。
実は彼女、3回妊娠し、3回流産した。薬物・不妊治療を繰り返しても出産にこぎつけなかった。
「母なる大地」「母なる地球」………と言われる➡ しかし子どもを持てない女性、持とうとしない女性もいる。
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彼女の気づき、「地球が本当に私たちの母だとしたら、実に多くの生殖の課題に直面している母親…」「人類だけでなく多くの生物の種が不妊という壁にぶつかり、無事に繁殖する事が難しくなり、さらには幼い命を気候変動というこれまでになかった厳しいストレスから守る事がますます難しくなっている…」ということに気づいた。
彼女はメキシコ湾での原油流出事故の取材をしている。メディアでは油にまみれたウミガメやペリカンの映像が流れた。誰もが心を動かされるわかりやすい映像だ。
彼女が取材の中で分かったことは、石油と薬剤のため、目に見えないカニやエビや幼魚、プランクトン、微生物に大きな影響があった事だ。影響とは、生殖と幼虫・幼魚へ事だ。この時、彼女は3回目の流産(子宮外妊娠)を体験する。
私も地球温暖化・海洋酸性化により6度目の大量絶滅がくる事は知っていたが、その始まりは生殖できないこと、生殖しても無事に成長できずに死に至ることとは思いもよらなかった。日本では不妊で悩む夫婦が少なくないし、普通分娩も減ってきている。
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彼女は、不妊治療をやめた。
休息期間を持ち、しばらくしらた妊娠した。そして無事出産した。「母なる地球」に例えれば、ジオ・エンジニアリング(気候工学)をやめ、負荷を減らし、休息したようなこと。
- 作者:ナオミ・クライン
- 発売日: 2017/08/31
- メディア: 単行本