サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

名護市長選結果とどうみるか?

 残念な結果だった。
 名護市議選です。
 4日間、応援に行ったウチのカミさんも落胆。そりゃそうでしょう。
 接戦も接戦と思ったが、それなりの差がついたのは、前回、自主投票だった公明党が自民系の渡具知氏を推したからだ。
 創価学会本部も現地に乗り込んでの采配だったため、出口調査では9割が渡具知氏に投票した。期日前投票も44%? 凄まじい。論戦を通じて判断する選挙戦の意味を失わせかねない。
 戦争で地上戦を経験し、日常的に基地被害に苦しむ沖縄の創価学会員の平和のスローガンも色あせたという事かもしれない。
 辺野古新基地の争点隠し、その一方で、繰り返し選挙で民意を示しながら、しかし目の前で工事が推し進められる事態に疲れ、あきらめ感が漂うのも無理からぬことかもしれない。
 でも、ここは耐えて、沖縄の自治権、民意貫徹の心意気を示してほしかった。事態の本質さえつかめば勇気も出てきたはずだ。
 地方経済の停滞、深刻な過疎化は全国共通、稲嶺市政の責任ではなく、基地を押し付けるアベ政権の責任だ。
 新基地建設反対だから、と止められていた「米軍再編交付金」。これをもらって市の活性化に使う。政府による利益誘導も甚だしい。
 そもそも米国都合の軍隊再編に、国民の税金をなぜ出さなければならないのか?他国ではありえない、
 この基地押しつけは、原発押しつけと同じ構図だ。
 福島の原発事故で十数万人が故郷を追われ、放射能のため今なお多くの人が帰れない。
 原発も基地も、その交付金は「危険手当」の性格がある。
 戦争・軍事に、苦しんできた沖縄なのに…。 アベ政権は、基地を受け入れた、と宣伝するだろう。
 「それで何人死んだんだ」の松本議員ヤジについて、自民党の塩谷選対委員長は、「危機感を持って対応したが、結果を左右するような影響はなかった」と答えている。(熊日2/6)
 「そこんとこ、どうなんでしょうか?」と名護市民に聞いてみたい気がする。
 戦前の沖縄県民は、戦場にまみれ、言葉にできない悲惨な体験をした。
 選択権がなかったから。憲法も民主主義も地方自治権も人権もなかった。
 今は、選挙権がある。尊い犠牲のうえに。
 選挙で、ずっとずっと意思を表示し続ければ、新基地がつくられる事はありえない。
 勝つためには、あきらめないこと+真実を見定めること+勇気。
   次も、次もある。苦しいが、たたかい続けるしかない。
 米軍の基地被害・犠牲は受け入れらない。
 しかし最悪の事態に至るのは、他国から報復攻撃だ。朝鮮半島の危機も、米中紛争の時も、他国の脅威である米軍基地は真っ先に攻撃される。米国本国は安泰だ。
 72年間も押しつけ続けられている事実上の占領。とても苦しいが、異常な事に慣れたらいけない。あきらめてもいけない。
 これは沖縄だけの問題ではない。基地のある住民、全国民に突き付けられている問いでもある。
 後年、子ども達に、「なんで基地をつくったの?」って聞かれたら、なんと答えれば良いだろうか?