先日紹介した『黒い巨塔 最高裁判所』を読みました。
著者の瀬木比呂志さんは元裁判官、そんな人が小説を書いています。
とても面白かったです。
権力の補完機構の司法行政、裁判構造の実態を、小説の形をかりて明らかにしています。
特に、原発裁判に関するところで「裁判官協議会」を舞台とする裁判官のやり取りは、現実感があって非常に面白い。最高裁長官の動きで、国策に反する判決をさせない権力統治の仕組みが明らかになります。
原発裁判、基地裁判などは特に厳しい。左遷、降格、報復人事、見せしめはやりたい放題のようです。
となると、報復人事覚悟の退官前の裁判官しか、なかなか良心にもとづく判決は下せない事になる。恐ろしや。
司法の独立、法の支配はどこへ? でも勇気ある人もいます。お勧めです。
動画もご覧ください。
- 作者: 瀬木比呂志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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