検証・法治国家崩壊:砂川裁判と日米密約交渉 (「戦後再発見」双書3)
- 作者: 吉田敏浩,新原昭治,末浪靖司
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2014/07/20
- メディア: 単行本
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砂川裁判と日米密約交渉⇒日本の法治国家を崩壊させた、最高裁長官だった田中耕太郎と言う人の話です。
驚くことに田中最高裁長官、砂川判決を出するにあたり、米国大使と日本政府関係者らと密談を重ねて、米国と政府が喜ぶ百点満点の判決を出した人です。
こんなショッキングな情報は、日本からは出てきません。
文書は、米国公文書館で秘密解除され、公開されている中から、新原昭治さんらが調べて明らかにしました。公開されていた大使館筋の秘密電報文です。
この本は、憲法の番人である最高裁の長官が、こともあろうに国民に隠れて裁判の当事者米大使と密談を重ね、主権者をだまして立憲主義を崩壊させた事実を明らかにしたものです。
このことから日本は、憲法体系よりも、米国従属のための日米安保体制を優先させる体制を作りだし、今日に至っています。
米軍のヘリの事故が起きても火事が起きても、日本の警察も消防署も近づけない。
住宅地で騒音をまき散らす航空機の夜間訓練、裁判で自衛隊は差し止められても、米軍の訓練は止めれない。
ベトナム、イラン、アフガン戦争などで明らかなように、対外侵略部隊である米軍の治外法権を許す最高裁判決を、米国と共同作業でつくりだした恥ずべき人物です。経歴を見ると、
戦争に負けた年の10月には文部省学校教育局長になり、翌1946年に文部大臣として第1次吉田内閣に入閣し、閣僚として日本国憲法に署名した。
翌1947年には参議院議員なった。1950年に議員を辞職して最高裁判所長官に就任した。
国会議員や閣僚経験者が最高裁判所裁判官になるなんて信じられん。在任期間は10年以上で一番長い。
更に1961年から10年間、国際司法裁判所の判事になった。砂川判決の翌年、米国に国際司法裁判所選挙への立候補を伝え、支持まで取りつけている。米国にたっぷりお礼をしてもらったということだろう。
その破棄すべき汚れた判決を、さらにゆがめて解釈して、安保・戦争法案を強行しようとしている。河野統幕長の文書と日米共同訓練の実態は、田中耕太郎この流れを受けついでいる。