アラル海消滅の危機 生物多様性のつづきです。
中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンにまたがっている塩湖のアラル海。
かつては琵琶湖の100倍、世界で4番目に大きい湖でした。
この広大な湖が、図のように縮小し、干し上がりつづけています。
ソ連時代に、アラル海にそそぐ川から、綿花栽培のために大規模な灌漑が行われてきた事が原因のようです。
面積・体積の縮小にともない、塩分濃度は6倍になり生物の大半が死滅して、漁業もできなくなったようです。
目に見える地上の水はわかりやすいですが、地下水の枯渇問題は、目に見えないだけに深刻です。
70億の人間が食べる食料の調達を支えているのは水です。
その水は河川からの灌漑とともに、地下水に依存しているところが多いようです。
たとえば中国の河北平原です。ここでは中国全土の、小麦の半分とトウモロコシの1/3を生産しているそうです。
この地域の農家は、雨水が涵養される浅い帯水層の水は、ほぼ汲み上げてしまったそうです。
そして今、雨水が涵養しない、より深い化石帯水層の水を汲み上げて灌漑しています。
その地下水がどんどん低下しています。この地下水が枯渇すれば、この地域で灌漑による農業はできなくなります。
それは1億3000万の中国人が利用している食べ物を生産できない事を意味します。
地下水に依存した農業は世界各地でおきており、地下水破たんがおきて食料危機になるかわかりません。
急ぎ持続可能な農業への転換が必要です。
日本でも、世界的な食料危機にそなえ、日本の大地から国民が食べる食料を、持続可能で環境に適合した方法で再生させることが必要です。日本食料自給を壊滅させるTPPなどっもってのほかです。