天草市御領の旧五和町役場前に、下のような碑があります。
長岡五郎左衛門という大庄屋が、天災と重い年貢米の取立てに苦しむ天草の民百姓の惨状を憂え、江戸に上り、命がけの「直訴」行ったそうだ。
そして「天草百姓相続方仕法」なる法律が公布されたようだ。直訴の内容は、「百姓が安心して農作業を続けられるように」との内容で、人の上に立つものの、あり方として、たいへんりっぱだと思う。
五和町(旧)の人たちが、郷土の偉人を役場前に設置して、長岡五郎左衛門の思いを受け継いでいるようで、私は嬉しくなりました。
五郎左衛門さんは、今の天草の惨状をなんと形容されようか?
輸入拡大での農林水産業がつぶされ田畑は荒れ放題。農業に将来が見出せず、「百姓は我が代まで」と、追い込まれた農民。市町村合併の押しつけで、役場がなくなり、学校の統廃合がすすめられ、地域が衰退しつづける天草。
あれもこれもと税金が上がり、苦しむ島民。これに追い討ちをかけるように、消費税の10%増税をかぶせようとする政府−民主・自民。
もし五郎左衛門さんが生きているとするなら、おそらく、命をかけて「増税すんな!」の直訴をされたであろう。
私たちが歴史から受け継いだのは、理不尽な事をするお上への抵抗であり、いまそれは、戦争の犠牲の上に、主権者としての立場になって憲法に結実している。あとは主権の行使のみ。
当時の支配のあり方は身分制度だった。直訴は命がけ。
今は、「自己責任」「隣人攻撃」「あきらめ」へのマインドコントロール、心の支配だ。支配のあり方は、大手メディアによる情報操作に変わり、主権の行使を忘れさせる。
先人たちは、勇気を示してくれた。167年後の今、増税を前に、私たちは何をすべきか。
(五郎左衛門の思いをくみ取り「消費増税-お取り消し願い」を書かせて戴きました)