毎日、毎日暑い。北京もモンゴルも暑く、モスクワは40℃近くもある異常高温、クーラーを設置していないので大変らしい。
問題は地球の平均気温⇒「全球温度」。観測によれば6月までの温度は史上最高だったらしい。北極海の海氷も6月としては史上最小面積だった。気になるのは、後半の気温、特に北極の9月の気温。
宇宙探査機-「ハヤブサ」で有名になったJAXAのホームページをごらん下さい。人口衛星で海氷の現状を毎日表示しています。グラフの濃い緑ラインの落ち込みは、07年9月の海氷の史上最小面積を示しています。
JAXA 北極海海氷面積⇒http://www.ijis.iarc.uaf.edu/cgi-bin/seaice-monitor.cgi?lang=j 以下、昨年3月、熊本民報の私のコラムです。
2月に黄砂がやってきて花粉も飛ぶ、早すぎる春。数年後、9月の北極海にも春がきそう。科学者が固唾をのんで心配しているのは北極海の海氷の運命。
IPCC報告ですら今世紀中は持つと予測したのに、昨年の科学者の報告ではあと20〜30年、最近の観測に基づく予測では5年以内に消滅する可能性が高いとする報告まで出てきた。おととしの面積は最小を記録、50年間で半減、昨年は氷の厚さ(体積)が最低になった。毎年、日本の面積の1個半がくなる。やがて風と海流で流される北極海氷をテレビ知ることになる。ロシア側、カナダ側とも北極海の輸送航路が開けて喜んでいるらしいが大航海(後悔)となるだろう。
すでに北極海は、ティッピングポイント(劇的変化)を超えたとする科学者もいる。白い氷が90%反射していた光を、紺色の海が吸収して温度を上げ、次のティッピングポイントに向かえば、ポイント・オブ・ノーリタンを超える。プラスのフィードバックは次から次へ。グリーンランドの棚氷の崩壊・氷河の流出、北極圏の永久凍土が融けだしメタンを放出、砂漠化するアマゾンと海洋は、CO2とメタンの吸収源から大発生源に変わる。中国とオーストラリアの旱魃は水と食料危機の予兆。あっと言うほど間の温度変化に生態系はとてもついて行けない。人類は適応できるだろう。しかし地球が許容してくれる人員は何%?。
「我がなきあとに洪水は来たれ」=自然・生態系の過剰消費と汚染物質の過剰排出はやがて地球大恐慌を引き起こす。回避のための時間はわずかー。(09年3月15日)