サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

天気の子

tenkinoko.com
 映画・天気の子を、かなりの時期遅れですが昨日、観ました。
 前の「君の名は」と同じものだろうと思っていましたが、観て良かったです。
 天気を変えられる女の子、これで稼ぐ、面白い。
 運動会や花火やら、雨つづきの東京で、そこだけでも晴れてほしい、晴を呼び込む、喜ばれる。面白い、楽しい。
 でも…。
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 映画の中に雑誌を開くシーンがあって、その雑誌に「アントポセン」の見出しがあった。人間の痕跡を残し始めた地質年代の意味。
 このアンロトポセン時代は、海面上昇がつづく。映画のなかでも海面に沈む東京のシーンがある。
 地球温暖化や気候変動の言葉はなかったが、新海監督はそれを意識してのことと思う。画がとてもきれい。
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「成長の限界」から半世紀③ コペンハーゲンの都市づくり

 世界の自治体の中で気候非常事態を宣言し、2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた努力をしている自治体がある。熊本県ほか日本でも少なくない自治体が議決や首長の表明として宣言されている。
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 デンマークコペンハーゲンは、既に1960年代に市議会が、歴史的な地区のまわりに車がない広い歩行者空間を設置した。
 歩行者空間整備は自転車道、公共交通計画、熱電併給システム、再生可能エネ開発、リサイクルプロジェクトの創設を組み合わせた。
 『人間の街』の著者のヤン・ゲールと言う人がこの都市デザインに影響を与えたそうだ。
 コペンハーゲンは2025年までに、統合交通、グリーン建築、地域暖房、都市内外での風力発電スマートグリッド、効率的な廃棄物管理などの50の施策の組み合わせてで、世界で初めてのカーボンニュートラル温室効果ガス排出実質ゼロ)を実現する見通しだ。
 下のサイトを見れば、人の暮らしのあり方と環境が協調させているのがよくわかる。自然の一部である人間に、社会的人間が合わせている感じ。

ideasforgood.jp
 オーストラリアのアデレードは、風力発電量が45%に達し、太陽光パネルは、60万戸中、15万戸の住宅と、ほとんどの公共施設に設置されているそうだ。世界初のソーラーバスが導入され、新しい建物には太陽熱温水システムの設置が義務付けられたそうです。
 またCO2吸収と生物多様性のため2000ヘクタールに300万本の樹木が植えられ、109のエコ住宅を持つロシェル公園太陽村が建設された。
 これらによりアデレード大都市圏では2003年以降、CO2排出が20%削減された。都市から有機廃棄物から作られた年間18万トンの堆肥を回収し、再生した排水をその堆肥を利用して、都市近郊の2000ヘクタールの土地を耕作している。しかもこのやり方で、何千もの新しい雇用も生み出したそうだ。
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 これに対し、日本では、気候非常事態宣言をあげた自治体とその市民が、どれほど本気になっているだろうか?
 もとより、気候非常事態を宣言した事、その意味をどれほど理解しているだろうか? 市民の未理解の下で自治体トップが宣言するよりも、市民的な議論の積み重ねこそ、大事と思う。事態は改善しない。

イージスアショア配備停止の裏側

 迎撃ミサイル・イージズアショアの配備を中止すると河野防衛大臣が発表した。
 ミサイルのブースターの落下制御が困難で、自衛隊敷地以外に落下する危険があるとし、改善にはさらに大きな予算と期間がかかるためという。
 この問題は早くから指摘されていた。今回の停止に至った背景について、東京新聞の元記者の半田滋さんの動画をご覧ください。
 すでに支払ったお金も莫大な額になっている。トランプ大統領は、お金は返さないだろうし、大統領選を前に何を言ってくるか分からない。武器の爆買いの安倍首相の責任が問われる、


【半田滋の眼 No9】!それなら、辺野古は? 200618

ウイルスと人間の共存

 今週に「赤旗」日曜版の「ウイルスと人間の共存」と題した東大名誉教授の山内一也さんのインタビューが「なるほど~」だったので紹介します。
 人とモノが地球規模で移動し、動物界にも足を踏み入れ過ぎた「グローバル経済社会」に問題がありそうだ。グローバル資本主義でもグローバル社会主義でも、起こりそうな事。それほど人間活動が大きくなりすぎた…
 中見出しだけでも紹介すると、
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   恐ろしいだけの存在ではない
自然界でウイルスは宿主と平和共存してきた
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   哺乳類の存続に重要な役割
本来の宿主のなかでは「守護者」になりうる
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   なぜ「恐ろしい存在」に変わった
免疫に対抗し毒性を強化
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   野生動物と人との接触機会が増えて…
20世紀の「怖いウイルス」-現代社会がもたらした
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「成長の限界」から半世紀②SDGsの矛盾

 私、へそ曲がり人間でして、どうもですね、SDGsは、持続可能な開発の「開発」に抵抗感があるんです。
 あの17色のカラフルさが広告的に目立ってしまって、あまり好きになれない感じです。
 SDGs=持続可能なため、開発からの撤退がふさわしいと、考えてしまいます。
 この表は各国のSDGsの達成状況です。さすが北欧が上位に並びEU諸国などがつづいています。アフリカなどの国々は困難を抱え苦労しています。
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 ですが次の図をみると複雑な気持ちになります。概して豊かな国の国民の環境負荷がきわめて大きい。
 地域別の国別の一人当たりのエコロジカル・フットプリントとHDI人間開発指数-所得や教育や余命など)を表しています。
 人間開発指数が高い豊かな国は環境負荷=エコロジカル・フットプリントが高いことを示している。
 つまり環境負荷を地球全体にかけながら豊かになっている先進国の姿が見えます。気候変動の被害は貧しい国、人々を最初に襲う。
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 そして豊かな国においても富裕層の一人当たりの環境負荷が大きく、プライベートジェットを乗り回す富裕層などは極めて環境負荷が高い。したがって環境負荷の程度によって、差異ある責任を取ることが必要だ。
 例えば世界で最も豊かな上位10%の世帯の温室効果ガスの排出は、世界全体の45%に相当する。
 社会的経済的SDGsと環境的SDGsの双方を考慮する必要があり、地球環境の負荷が人類の生存を脅かしているならこちらの負担割合を高くするのが当然だろう。
 加えて人口増問題が横たわる。世界の人口が30億人ほどならまだしも、現在77億人が予測以上に増え続け、今世紀中には112億人になる可能性もある。多様な生物種の中で、ただサピエンスだけが限界を知らないほどに数が増えて地球と生態系が持つはずがない。
 人間の地球との関係では、自然、生態系の回復、開発からの撤退が必要と思う。北極圏、南極圏、砂漠地帯、熱帯地域、海底、大気、宇宙含め、開発から撤退が持続可能にふさわしい。撤退し、自然を回復させ、元の戻すことが必要だ。
 ローマクラブ「成長の限界」から半世紀-COME ON 目を覚まそうから、紹介・引用(図)

イージズアショア凍結

f:id:adayasu:20200616215852j:plain:right 防衛省が秋田と山口に設置しようとしたイージズ・アショアを凍結すると発表した。
 ブースターの落下制御の技術開発に時間がかかるとかで、凍結というのが理由だ。
 そんな事は、とっくに分かっている事で、どうも裏に隠された背景がある気がする。
 地元の反対も強いし、見通しがたたないこともあったろう。 
www.jcp.or.jp
 この際、はっきり断念し、予算はすべてコロナ対策に回すべきだろう。
 自衛隊も開発している滑空ミサイル、中国、ロシア、北朝鮮が持ったとすれば、ミサイル防衛は突破できる。
 どこの国も、兵器開発やめて、コロナ対策に回すべし。