サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「成長の限界」から半世紀③ コペンハーゲンの都市づくり

 世界の自治体の中で気候非常事態を宣言し、2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた努力をしている自治体がある。熊本県ほか日本でも少なくない自治体が議決や首長の表明として宣言されている。
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 デンマークコペンハーゲンは、既に1960年代に市議会が、歴史的な地区のまわりに車がない広い歩行者空間を設置した。
 歩行者空間整備は自転車道、公共交通計画、熱電併給システム、再生可能エネ開発、リサイクルプロジェクトの創設を組み合わせた。
 『人間の街』の著者のヤン・ゲールと言う人がこの都市デザインに影響を与えたそうだ。
 コペンハーゲンは2025年までに、統合交通、グリーン建築、地域暖房、都市内外での風力発電スマートグリッド、効率的な廃棄物管理などの50の施策の組み合わせてで、世界で初めてのカーボンニュートラル温室効果ガス排出実質ゼロ)を実現する見通しだ。
 下のサイトを見れば、人の暮らしのあり方と環境が協調させているのがよくわかる。自然の一部である人間に、社会的人間が合わせている感じ。

ideasforgood.jp
 オーストラリアのアデレードは、風力発電量が45%に達し、太陽光パネルは、60万戸中、15万戸の住宅と、ほとんどの公共施設に設置されているそうだ。世界初のソーラーバスが導入され、新しい建物には太陽熱温水システムの設置が義務付けられたそうです。
 またCO2吸収と生物多様性のため2000ヘクタールに300万本の樹木が植えられ、109のエコ住宅を持つロシェル公園太陽村が建設された。
 これらによりアデレード大都市圏では2003年以降、CO2排出が20%削減された。都市から有機廃棄物から作られた年間18万トンの堆肥を回収し、再生した排水をその堆肥を利用して、都市近郊の2000ヘクタールの土地を耕作している。しかもこのやり方で、何千もの新しい雇用も生み出したそうだ。
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 これに対し、日本では、気候非常事態宣言をあげた自治体とその市民が、どれほど本気になっているだろうか?
 もとより、気候非常事態を宣言した事、その意味をどれほど理解しているだろうか? 市民の未理解の下で自治体トップが宣言するよりも、市民的な議論の積み重ねこそ、大事と思う。事態は改善しない。