あの戦争は何だったのか(新潮新書・保坂正康著)を読んだ。
戦後60年、2005年の著作だ。それから20年たち、今年は戦後80年。
著者の保坂さんは、あとがきで、「太平洋戦争を正邪でみるのではなく、この戦争のプロセスにひそんでいるこの国の体質を問い、私たちの社会観、人生観の不透明な部分に切り込んでみよう」、「あの戦争の中に、私たちの国に欠けているものの何かがそのまま凝縮されている」。
その何かが「戦後社会にあってもみられるだけでなく、今なお現実の姿としてしてきできるのではないか」と問うている。
著者は、20年前、日本の社会の現状を憂えている。20年前は、新しい戦争を意識してはいない様子だが、今は、次の戦争を意識しなければならない時期にきている。