サスティナビリティ考

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「江戸の選挙」から‥‥①投票権放棄

 「江戸の選挙」から民主主義を考える(岩波)ーの題名に興味がそそられ、薄いブックレットなのに720円もしたが買ってしまった。
 著者は柿崎明二帝京大教授。
 江戸時代に選挙が行われていたそうだ。
  どこで? 農村で。
 著者の柿崎さんは、1章で「私たちは民主主義を捨てたがっている?」と問う。

 地方自治体は「民主主義の学校」と言われながら、選挙の投票率低下が大きく進んでいる。
 低投票率も問題だが、選挙そのものが行われない「無投票当選」が、捨てたがっている最たる例だ。
 23年の統一地方選道府県議選では、総定数2260に対し、25%、565人が選挙なしで当選。
 特に366ある1人区は190人が当選52%に上った。首長選でもあるまいに、多数会派が選挙区の定数を1にしているため、半数の自治体では選挙がなく、選挙権を奪われた事態だ。
 同じく23年の選挙、125の町村長選挙では56%70人が選挙なしで当選。同議会選では、総定数4126人の30%、1250人が無投票当選となっている。
 ほかに定員割れも。長野県岡谷市で定員割れ、町村議選では20町村にまで増えているそうだ。
 さらに「朝日」記事、県議選、町村長選、町村議選の三つが無投票の「トリプル無投票」が16町村で発生と紹介されている。
 23年の統一地方選投票率は、知事選で46.78%、道府県議選41.85%、市長選47.73%、市議選44.26%、町村長選60・8%、町村議選55.49%と多くは史上最低だった。
 歴史をみれば、多くの困難を打ち破りながら、たたかい取られた選挙、投票権が棄てられている事態にある。