サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

中国「軍事強国」への夢⑤ マルクス、レーニン?

 昨日、イスラエル共産党議員の戦争反対への勇気を紹介した。
 世界には様々な共産党がある。
 野党の共産党は、平和主義で頑張っている党も多いが、とりわけ国家権力に握っている政権党には問題が多い。
 その最たる党が一党支配をつづける中国共産党だろう。
 中国「軍事強国」への夢の著者の劉氏も、中国共産党のエリート党員なのだろう。
 やたらと習近平氏を引用し、賛美している。

 劉氏の記述で、私が許せないのはマルクスの間違った引用だ。
 そに内容は、本質的にスターリン主義の引用とすべきだろう。
 1章に、習近平強軍思想とは何か、で2015年に習氏が軍の機関紙を発行する解放軍報社を視察し、指示した事が書かれている。
 それは4つの重要な構成要素で、
マルクス・レーニン主義理論体系において「マルクスレーニン軍事理論」
毛沢東思想理論体系において「毛沢東軍事思想」
③中国の特色ある社会主義理論において、「中国の特色ある軍事理論」
④第18回党大会以来の「党の軍事理論革新の成果」
 と発展し、強調したい事は、現在、実行しようとしている、④習近平思想に基づく軍事理論ということだろう。
 また、第6章のイデオロギー戦の部分で、
 西側が言う「報道の自由」に惑わされてはならない。
 「マルクス主義の報道観を樹立するためには、メディアの階級制と政治性を学ばなければならない。(中国共産党)党がメディアを管理する原則を実践していかなればならない。報道や宣伝は常に党に忠誠を誓い、信頼できる人間の手中に収めなければならない」とする。
 習近平氏の発言を多く引用し、「共産党員や軍人は、マルクス主義闘争観を打ち立てる」などと書いている。
 権威主義にもとづく国家主義は、なにかと自身の権威付けに過去の指導者をあげ頼ろうとする。

 レーニンは「民族自決権」を訴え、実践した。マルクスは軍事理論など展開していない。
 全く恣意的で誤解に基づく迷惑な話だ。(写真:ウィキ)