サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

台湾有事と日本の安全保障② 米中覇権争いと中国の安保戦略

 「世界一の覇権国を目指す中国」---どの国だって大国の指導者は、覇権国をめざすだろう。
 かつては大英帝国もそうだったし、スターリンもそうだったかもしれない。日本だって「八紘一宇」でめざして大陸侵略を進めていた過去がある。
 もっかアメリカが覇権を獲得して、それを長く維持しようとしている。米国民も、結果的にそれをおおむね支持している。
 中国がそれをめざしているからといって、警戒はしていいが、特別に驚くことはない。アメリカの真似をしているだけ。
 それが「中国の夢」、「中華民族の偉大」なる復興としてあらわされている。
 めざしているのは「科学技術大国」で、AIなどで世界をリードすること、アメリカの技術大国は善だが、中国のそれは危険だとするものだ。

 だが問題は、技術を国民の監視に利用し、権力の維持を図る支配者・政権だ。それは中国だろうとアメリカだろうと、主権者からみれば、いずれもごめん、ということだ。
 アメリカだって、NSAやCIAによる監視国家はひどいものだ。
 スノーデンは、それを世界中に暴露した。だから国家が正義ではない。
 主権者がどう抵抗し、知る権利を行使し、民主主義を他国も含め実現するかだ。
 ただ中国においては、その抵抗はアメリカ以上の弾圧をうけるので、より大きな困難はつづいている。
 習近平総書記・中国共産党一党支配の言論抑圧体制は、相当危険だし、警戒が必要だ。

 著者らの問題点は、中国の覇権国化は悪で、アメリカ覇権国は正義と考えていることだ。
 だから、ベトナム戦争やアフガン、イラク戦争などは、覇権国の侵略として問題視はしない。過去の日本の軍部の独走も。したがってその反省の思いはない。現状を肯定するために。
 しかし、主権者は、国家とは違う。