斎藤幸平氏のインタビューを読むために買った「月刊日本」9月号。
「月刊日本」、右翼っぽい雑誌だなーと思っていたら、右翼雑誌だった。もちろん憲法9条は「改正」の立場。
なので憲法学者の小林節氏が「わが国は、日米安保条約と自衛隊により国の独立を守ってきた」とし、「軍隊は国民を守らない」との考えは誤解だと断じている。
歴史の事実でいえば、沖縄戦で日本軍は住民を守るどころではなかったし、大陸侵略をしていた日本軍の指導部は、敗戦になると、いち早く家族を日本に帰国させ、住民を置き去りにして、自分も日本に逃げ帰った。
避難民を置き去りにした。残留孤児を残して。
小林氏は、軍隊は抑止力として国家を守り国民を守ると言いたいようだ。
だが抑止力が破綻し、戦争になれば、戦場が住民の生活の場であれば住民が犠牲になる。軍としては、味方の軍を守る事は優先するが住民を守る事は二の次になる。司令部は、戦闘中に住民を守る命令は発しない。
「月刊日本」右翼的といっても良質、そして信念のある雑誌だ。
「正論」とか「HANADA]とか「WILL」の親米ポチ、政権賛美の雑誌より、よほどしっかりした主張を持っている。
今号には「関東大震災・朝鮮人虐殺100年」を特集し、内田樹、安田浩一、高橋公雄氏らが鋭く当時の事を書いている。
そして読み応えもあった。
日本の過去の過ちにしっかり向き合う姿勢こそ、左右問わず、主権者国民にとって大事だ。
また今号に、「神宮外苑再開発の即時中止を求める」公開書簡を「月刊日本」主幹 南丘喜八郎 名で発表掲載していて、内容も鋭く拡張高い。開発会社の代表事業者の三井不動産に、利益追求や神宮の杜破壊など、鋭い指摘を行っている。
これからも鋭い批評を期待している。