サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

辺野古新基地に自衛隊

f:id:adayasu:20210125100033j:plain:left 米海兵隊の新基地建設を強行している辺野古に、水陸起動団を常駐させることが2015年に陸自海兵隊で合意していたことが分かったと「熊日」(共同)1/25が報道した。
 「やっぱりそうか」と思ったし、しかし2015年に、沖縄にも国民にも知らせず国会でも議論せず、かってに合意していたとは、重大問題だ。
 辺野古新基地建設は、危険な普天間基地の代替という理屈だ。しかし、これはマスコミをとおした歴代自民政権の宣伝だ。
 陸自幹部は勢力拡張のため新基地が欲しいし、沖縄の海兵隊は、普段は中国ミサイルが怖くて縮小撤退するが、必要な時は使えるという身勝手な思惑だろう。
 水陸起動団は、海兵隊の機能を目的に編成・訓練している。島しょ防衛というより島を奪還にいく攻撃部隊だ。つまり、いったんは相手側に住民が暮らす島の占領を許し、その後、島を戦場としながら奪還するというもの。島しょの守備隊と攻撃奪還する海兵隊機能の装備・訓練は全く違う。
 辺野古新基地を水陸起動団が使うとなれば、F35B搭載の「空母いずも・かが」がアジアや中東各国に出向くことだって可能になる。装備も訓練も米海兵隊と同じ他国への武力介入を本質とする。
 記事の中で「中国への抑止力の向上」とする陸自幹部の期待を紹介しているが、経済力がやがて米国を抜き、日本の3倍になろうとする中国の目と鼻の先に、新基地を作り活用するとなると相手はどう思うか。中国側にも「抑止力の向上」といい理由で、新たなミサイルの配備や軍拡をする理由を与えることになる。互いに軍悪競争の愚かな話だ。
 日本側は真珠湾の奇襲攻撃で勝てない米国に戦争を仕掛け、鬼畜米英と叫びながらコテンパンに負けたら、手のひらを返し、米軍言いなりの属国になりさがった。戦後長く、対外武力介入をしてきた米軍に基地を提供するに至っている。
 自公政府は、仮想敵国あつかいにしながらも中国が怖い? というよりか、米国に見放されないかとの不安症になり、米国の機嫌取りに兵器の爆買いにばかり走る。
 不安症のよい例は、ことあるごとに「尖閣は、安保5条の適用」を確認したがることだ。
 最近も日米防衛相が電話会談で確認と、報道されている。
 条約で決まって事に、いちいち確認が必要なのか? ニュースも意味のない同じことを繰り返し報道する。
 国民が知らなければならないこと、メディアが報道しないこと、安保5条とNATO5条の違いだ。
 NATOの場合米国は自動参戦。日米安保の場合、日本が攻撃を受けても米国は自動参戦・義務ではない。基本、議会の賛成が必要だ。場合によっては中国の核攻撃が米国の都市を襲う覚悟も引き受けながら、東洋の従属国を守ることを米国はしない。国民が了解するはずがない。
 これは軍事的常識で、日本軍だって、先の戦争で沖縄を捨て石にし、これ以上ない悲惨な目に合わせた。守るべきは軍であり国家であり、いざという時に住民や国民ではない。これが軍の本質、歴史の教訓だ。