「現代戦略論」(並木書)を読んでいる。著者はウクライナ戦争で急にテレビにも出はじめた高橋杉雄衛政策研究室長。(写真:ウィキペディア)
ウクライナ戦争の戦術や作戦について、テレビ向けなので彼らの話は参考になる。
著者によれは、戦略は、目的・方法・手段の組み合わせで、体系的・論理的に示すこと。
目的論として、
①抽象的ではなく、具体性が必要。
それはそうですね。
②実現可能なもの。
使える人や資源には限りがあり、その範囲内での目標設定。これも当然。
③目的・方法・手段に複層性がある。
たしかにある目的を達成するために、関連する下位の問題を解決しなければならない場合があり、階層性と複雑性がある。
戦略とは「優先順位の芸術」で、指針に沿った行動の場合、資源の配分、優先順位が決定的に重要。確かに、金も人も技術も限られていて、どこにどれだけリソースを振り向けるかは、重要な判断になる。
私の場合も残されたタイムリソースが12~15年と考えると、何をして、どう生きるか? 時々考えてしまう。戦略があって生きてきたわけではないけど‥。
「セオリー・オブ・ビクトリー」、いわば「勝利の方程式」。ストーリーが必要。イメージを思い描くことも重要。
リソース配分を考える際に、割を食う部分もでてくる。そこからは不満が生まれる。
著者は、その際に大事なことは、そういった下部組織にも戦略立案プロセスに参加させて全体の戦略を理解させ、リソース配分の優先順位を理解させる必要があるという。「自分たちの戦略だ」との当事者意識を持ってもらうよう。
明確な戦略目的--何が成功で何が失敗かを定義する、とある。
なるほど。
私たちの運動でも、成功、失敗は事前には明確にされない場合が多い。
特に失敗については、自己の批判に向かうので、誰でも認めがたい‥‥。そのためにも事前に、どんな結果(途中でも)は失敗かを明確にしておかないと。
なかなか学ぶべきものが多い。 次回は、少し批判的に。