サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「森林に何が起きているのか」②里山論

 

「森林に何が起きているのか」吉川賢著(中公新書)の続きです。
 この本で少し学んだことは、里山についてです。
 人間と自然の関係において、適度な関係であり持続可能なあり方は、里山(里海)についても、通説イメージとは違い、歴史的な経過と科学的な検証が必要のようです。

 私、小学校高学年の頃にハマったのは、マツタケ採り。一人でカマを持って、行った事のない山まで散策、マツタケを発見に驚喜した記憶は鮮明。
 私の育った集落附近には、「はげ山」と松林があちこちにあり、そこにマツタケは生えていた。
 そんなマツタケが取れる山村が自然豊かな里山と思い込んでいたが、どうも勘違いも含まれているようだ。
 自然林としては、いわゆる雑木林。カブトムシやクワガタを取りに行っていた樫の木などの林。
 江戸時代、明治、昭和と、森林資源の過剰な収奪で、山地が疲弊し、他の樹木が育ちにくくなり、栄養不足の方が育つ松の木の林ができあがったというのが経過らしい。
 松の木は戦時中、松根油(しょうこんゆ)として、戦闘機の燃料にも用いられた。
 たしかに子どもの頃は、母親に連れられ山に行き、松葉狩りをさせられた。落ち葉を定期的に取り除かれ、栄養不足の状態がマツ林とマツタケには、生育上良かった。
 今、はげ山は、ほとんど見られなくなり、山々は荒れ放題にもなっている。まったくの放置状態。
 人間の樹木の利用は、適切な関与、管理、その持続性が大事になっている。願わくば、

 あっちの山に松林がありマツタケが採れ、こっちに樫の木があってカブトムシやクワガタがはい回り、向こうにクヌギ、コナラ林がありシイタケ原木となりれ、家に近くに竹林が少しあって、春にはタケノコが採れる。秋にはシイの実が採れ、アケビ食べられる。
 田んぼもあって小川もある。ため池もあれば、堤もある。

 人の関与。自然にひれ伏し、生かされながらも、ノンビリとした生活、、そんな幸福が自然との調和に欠かせない。必要なのは、少しの不足だ。

adayasu.hatenablog.com