サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「基地国家日本」の形成と展開②

「基地国家日本」の形成と展開-のつづきです。
 著者は松竹伸幸氏、いま色々と議論をまきおこしている方です。
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 23年前、今もさらに問題になっている米軍の日本従属の姿を低空飛行訓練からも指摘している。
 問題点として著者は、①米軍の飛行訓練区域が事実上無制限であり世界に類例がないこと。
 ②それらの訓練にを日本政府がコントロールできないこと。低空飛行訓練だろうが空中給油だろうが、日本の国内法を守る必要はなく危険でもお構いなしの状態。
 当然これらの危険な訓練は、日本を守る訓練ではなく、他国攻撃のための訓練で、米国の他国攻撃に日本が協力してきた事実である。
 他にも、「沖縄の海兵隊は、日本の防衛には充てられていない」と、ワインバーガー米国防長官の発言を紹介し、日本以外に海兵隊の駐留国がない事を指摘している。
 海兵隊は、殴り込み部隊で他国へに武力介入の先端を開く危険な部隊であり、強襲揚陸艦佐世保配備やオスプレイの配備、普天間基地に代わる新しい海上基地、つまり辺野古新基地建設の動きまで指摘し、それが現実になっている先見性を示している。
 米軍が「日本防衛でなく、アメリカの国益確保を目的とし、海外に出動する訓練をしているために基地周辺住民が生活を安全を脅かされている」とし、海兵隊は受け入れはありえないとしている。
 だが、残念なことに、最近の彼の著作では、米軍への認識がすっかり変わってしまった。
 P235に書いてあるが「自衛隊にはアメリカの世界戦略を遂行するという要素がある」としている。
 NATO諸国などとの違いを本質的なものと書いていたのに、従属は要素だけであり、本質的ではないということらしい。
 私は、23年前に著者が書いた事実と予測が、今日いよいよ深刻な段階に進んでいると考える。
 人は、良い方にも悪い方にも変わるが、ずいぶん変わったものだと思う。