熊本でアサリの産地偽装が行われていた事がニュースになっている。
「熊本ブランドが傷ついた」など、消費者の声がテレビで流れている。
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だけどより本質的な問題は別にある。
なぜ有明産のブランドが生まれたかと言えば、有明海がアサリなど貝類の豊富な産地だったからだ。
しかし今や、有明海でアサリは採れなくなっている。
それだけ海が疲弊し、汚れていて、アサリが生育できないということだ。
その海、自然にアサリが生育できない有明海に外国のアサリをまいて有明海産として売る。偽装した業者も悪いが、消費者の認識は、より問題ではないだろうか?
アサリが生育できない干潟に長く置けば有明産で、長く置かないアサリは中国や韓国産の表示となる。
生育できない産地のアサリが劣っているに決まっているのに、消費者は社会的常識ながら有明海産が良いと誤解している。
それとも、有明海産は、純粋に生まれも育ちも有明海のアサリと思っていたのだろうか? 海に行ってごらん、有明海に。プラゴミであふれている。
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私たちが考えなければならないのは、なぜ?有明海でアサリが生育できなくなったのか?だ。
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海を汚したのは何が原因で、どうすれば前のようにアサリやハマグリがとれるような豊かな有明海に戻すことができるのか?だ。
いろいろな原因が指摘されている。海砂採取、干拓、護岸工事やコンクリート工事、ナルトビエイ、病気、富栄養化、赤潮、貧酸素化、化学肥料や農薬、除草剤、環境ホルモンほか。最近では、気候変動による記録的豪雨や台風による土砂の流れ込み、プラスチック流入など、すべて人間活動が原因だ。
私たちが生活している宅地、山林や田畑、河川など、陸地からの汚染をなくすこと。汚染は必ず、流れ下って海に蓄積される。
海そのものの汚染防止、回復も当然だ。大気も。
そうやって自然が回復すれば堂々と、有明産のブランドどおり、堂々とアサリを漁業者が採って、美味しいアサリを私たちが食べることができる。
水俣病と違いチッソ、一企業が原因・責任ではなく、戦後の物質経済社会を生きてきた私たちの責任こそ問われている。未来に対し、子どもたちに対して。
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私が中高生の頃、天草でもアサリが良く採れた。シーズンになれば、舗装されていないガタガタ道を自転車で志岐(苓北町)まで貝を採りに行っていた。
少年時代の楽しかった思い出だ。
今の子どもたちは、そんな体験ができない。昔は豊だった。自然。
その豊かさを回復したい。それには、まず、自然の回復が必要だ。
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だが、もはや… 手遅れかもしれない。
自然にバラまいた化学物質、マイクロ・ナノプラをどうやって取り除くか? 科学と技術で取り除く方法を考え、解決してほしい。
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2/8 参考になる記事を紹介します。
news.yahoo.co.jp
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当事者のアサリさんは、どう?思っているんでしょうか。