最近66才にもなった私にとって、難しい話はやはり難しい。
とは言え、知りたいので理解したいので、本を読み論文を読んでいる。
地球環境問題は、地球システムの攪乱に要因がある。攪乱させているのは、無数の生物種の中のたった一つの生物種、人類の活動。
そのことを150年も前に、「人間と自然の物質代謝の亀裂」として研究・指摘していたのがマルクス。(写真はウィキペディアより-晩年63才のマルクス)
マルクスが亡くなったのは1883年3月、64才なので早すぎたなぁ。オレ66才なのに。
あと10年ぐらいは生きて、晩年研究していた内容を資本論4部として出していてくれれば良かったのに。少なくとも草稿だけでも残していてくれれば…、今の社会にかなり貢献したと思う。
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/53/4/53_40/_pdf
↑リンク--斎藤幸平氏の論文ー「『資本論』のエコロジーから考えるマルクスとエンゲルスの知的関係」。
前に一度読んだ記憶があるけど、改めて読んで、ナルホド。少し。
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自然観の考えが、マルクスとエンゲルスでは微妙に違うようで、今日の地球環境問題を考えるためには、マルクスの「物質代謝論」が有効性を与えてくれるようだ。
エンゲルスはどちらかと言えば、自然を征服する対象(自然の復讐を伴わない、自由は必然の洞察)
自然は、征服の対象ではなく、依存しながら、相互作用する関係。
資本主義社会以前は、森林伐採などのため、文明が崩壊するこことはあったが、惑星規模ではなかった。
しかし今や、資本主義はグローバルとなり、あくなき大量生産・廃棄の経済成長を追求している。
惑星地球の限界と、無限の経済成長・物質代謝を続けようとする資本主義社会の人類活動の矛盾が限界点を迎えている。
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地平も海も空も、どこまでも続く線形ではなく、元に戻る丸い地球。
当然、限界がある。自然の一部である人間、自然の一部にふさわしいふるまいをすることが不可欠だ。
地球システムの限界内での人類活動への転換以外に、道は残されていない。
しかも、その転換の時間は限られている。