街のあちこちに〝安い”唐揚げ店があり、昼時には若い人たちが並んでいる。
安い鶏肉。安い卵。安ければ、安いほどよい…。
しかし多くの人は、鶏がどんな育てられ方をしたかを知らない。
世界動物保護協会の畜産動物福祉の評価で日本は、最低ランクのGに評価されているそうだ。
鶏は狭いゲージに入れられ、夜も照明をつけられ、エサを食べさせられる。
鶏は免疫力低下で感染症にかかりやすくなり、それを防ぐために抗生物質の薬を投与する。鶏は通常、成鳥になるには120日間ほどかかるそうだが、だいたい4~50日間で集荷される。
そんな鶏の生育実態を知ったなら、〝安いから”というだけで、本当に買って食べるだろうか。
子育て中の親は、特にそうでしょう。
動物虐待を他人に任せる分業、商品社会のなせるワザだとしても、知らない、知らなかったで済まされるだろうか。
動物をそんな目に合わせて、安い・おいしいは、偽りの幸福かもしれない。
アニマルウェルフェア・動物福祉。北欧・EUを中心に広がってきた。日本社会の遅れが悲しい。

食べもの通信 N.602(2021 4月号)―心と体と社会の健康を高める食生活
- 作者:家庭栄養研究会
- 発売日: 2021/03/01
- メディア: 単行本