昨年5月11日の「熊日」夕刊に「低コストが生むストレス」と題した東海大の伊藤秀一教授の一文の載った。
ちょっと考えさせられた。人間という生き物のあり方…。ホントに、これでいいのか?
例えばニワトリ。
日本では狭いゲージ(籠)に入れて飼育する。その面積は私たちがよく使う紙のA4サイズ程の狭さ。
それでも、せっせとエサをついばみ、毎日タマゴを産む。鶏にしてみれば、とてもストレスが多いだろう。
そのためなのか病気になりやすい。鳥インフルエンザが流行するとたくさんの命が殺処分される。
哀れな、なんともやりきれない気持ちになる。
私の子どもの頃の鶏は、昼間は放し飼いで、夕方になると縁の下に入れるというぐわいだった。これ、子どもの仕事。たまにヒヨコも生まれる。
そんな、なつかしい時代に逆もどりしようと言う国が生まれている。ほう?
「ゲージ飼育であれば一羽当たりの面積を広げるたけでなく、止まり木、砂浴び場、巣箱を設置する」ようだ。これを法律で決めた。EUだ。
そしてゲージ飼いから平飼いへの移行が奨励されているとか。スゴイ。
日本では「タマゴは物価の優等生」と、人間社会でいわれている。消費者が求めているから。そして食い散らかして、残飯として廃棄する。
EUで飼育方法の変更を求めて法律を主導してきたのは、養鶏農家ではなく、消費者らしい。
「アニマルウェルフェア」=「飼育動物の生きている間の幸せに配慮する思想」というようだ。初めて知った。
日本の消費者。果たして幸せなのだろうか?
欲深い人間は、幸せの意味を知らないのかもしれない。私も含めて。
EU の消費者に幸せの意味、聞いてみたい。