「ショック・ドクトリン」つづきです。
ミルトン・フリードマンの「新自由主義」路線のショック実践は、途上国の政権転覆工作として現れた。
工作者は、やはりCIA。数多くあるCIA暗躍の中でナオミクラインが示した実例は、インドネシアとチリの軍事クーデターだ。
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日本軍が敗北し占領から解放されたインドネシアは、戦争で疲弊していたオランダとの独立戦争に勝利し、初代大統領にスカルノが就いた。
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９月３０日事件に端を発し、戦略予備軍司令官のスハルト少将がクーデターを起こし政権を掌握した。その後、インドネシア共産党員への大弾圧が行われ、数十万人ともいわれる犠牲者をだした。一連の動きは背後のCIAの暗躍による。
インドネシアへのショック・クーデターの成功は、サンチャゴ市内の壁に「ジャカルタがやってくる」と赤ペンキで書かれ、アジェンデ政権下のチリに模範的に適用された。
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チリのクーデターは私が高校生の頃だった。私も民青などの学習会で、チリのクーデターは、ＣＩＡが策動し、ピノチェト将軍と結託して市民や政権側を弾圧し、軍事独裁政権が誕生させたと学んだ。
シカゴ大学のフリードマン教授の教えを受けた学生らがチリ社会で影響力を持ち、経済的混乱を準備し、ＣＩＡとともにクーデターを成功させた。鉱山など、さまざまな米国企業の権益を守るために、背後で動いた多国籍企業は通信会社のＩＴＴだ。
当時のＣIA長官はアレン・ジョン・ダレス。その兄のジョン・フォスター・ダレスが米政権の国務長官だ。暗躍した勢力への資金提供はＣＩＡ。（写真はダレス:ウィキペディアより）
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ナオミ・クラインは「クーデターの衝撃は経済的ショック療法を実施するための素地を作り、拷問室のショックは。経済的ショックを阻もうと考えた人たちを恐怖に陥れた」と書いている。
米国の軍やＣＩＡや多国籍企業による他国への介入、政権転覆の実態は、中国や旧ソ連と同等、それ以上で、今日に引き継がれていることを覚えておく必要がある。
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