昨日のつづきです。
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繰り返される「過労死」という悲劇。
1863年、マルクスの時代のロンドンで過労死事件が発生し、日刊紙の記事になっている。マルクスが資本論で言及しているそうだ。
メアリー・アン・ウォークリートいう20才の被服工場で働く女工の死。
工場は名高い宮廷婦人服のを作っていて、女工たちは1日平均16時間半も働かされ、社交シーズンには30時間も休みなく働かされた。
メアリーは他の60人の女工たちとともに26時間半休みなく働き、夜は一つのベッドに2人づつ寝かされていた。
むかしはひどかった。日本でも女工哀史のような時代だ。
でも、150年以上もたった今でも、日本では過労死が続いている。過剰な生産をし、ムダは廃棄をしながら、過労死・自殺に追い込まれている。
居酒屋チェーン「和民」で起きた入社2ヶ月で自殺した女性、電通入社1年目で過労自殺した女性。一日の睡眠時間が2時間、1週間で10時間しか寝られないこともあったという。
むかしの奴隷ならば、電気もなく夜の作業はなく、睡眠時間はとれただろうに。現代人は、睡眠すら取れないで働かされすぎて、死んでいく。そんな労働を強いられる。
なぜ? そこまで働く-- 人は、面と向かって殺されようするなら激しく抵抗するはず。だが労働という過程を通じると、抵抗せず自殺というカタチで死にいたる。 なぜ?
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