昨日のつづき、「海の温暖化」(日本海洋学会)から。
大気の温暖化とともに、はるかに熱容量の大きい海の温暖化の進行も深刻だ。
海の温暖化とは直接の関係ないが、他にも大きな問題がる。
海は弱アルカリだが、大気から膨大な二酸化炭素を吸収し続けていることによる酸性化だ。
最近の10年間で排出された二酸化炭素は8.9PgC(炭素換算で890憶トン×3.66=3,257憶トン(CO2))で、そのうち26%(846憶トン)が海に溶け込んでいる。
炭酸による酸性化が進んでいる。サンゴや貝、植物プランクトンなどが石灰質の殻をつくれなくなり、生きて行けなくなるそうだ。
となると生態系が破壊され魚貝類は採れなくなることになる。
「地質学者によれば、過去3億年もの間に、海の酸性化が今ほど早く進んだ時代はなかったという」「およそ5500万年前に〜50万年ほど〜海が急激に酸性化したことがある〜その時代の海の酸性化の速さでさえ、現代の酸性化のおよ1/10の速さ」だという。
地質学的には、暁新世境界と言うらしく、大量の生物種が絶滅したようだ。
火山の大規模噴火による二酸化炭素の大量放出(他にメタンハイドレートの崩壊説)などが原因とされるが、自然現象なのだが1万年とかそれ以上の時間軸でのできごと。
いま人類がやっている温室効果ガスの排出は、その10倍の速度。
温暖化は、すでに猛暑、豪雨として、日本でも現れている。