サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

安全保障のジレンマ→安全保障の好循環に

 集団的自衛権の行使を説く安倍総理。その理由に「抑止力を高める」がある。
 こちらが軍事力を高めれば、報復を恐れて相手は攻めてこないという考え方だ。どちらかといえば、強い国が自国民に向けて使う言葉だ。相手国は悪で、自国は正義の思い上がり、歴史を参考にすれば直ぐわかる。

 最近、“安全保障のジレンマ”という言葉を聞くこともある。

 抑止力を高めるために、軍備を増強すれば、対抗して相手国も抑止力を高めるために軍備を増やす。
 そうなるとまた抑止力を高めるために軍事力を強める、その悪循環に陥ることだ。
 最近の中国は、軍拡が激しく、南・東シナ海の動きを見れば、現状変更の主要な勢力になっている。その前、冷戦期までは米国だった。
 今、沖縄の辺野古に米軍基地がつくられようとしている。
 普天間基地の単なる移転ではない。(写真・名護市HPより
 オスプレイが配備され、強襲揚陸艦が接岸でき、弾薬や燃料を搭載できるなど、普天間にはない最新鋭の基地が新しく造られる。日本を守る兵器ではなく他国を攻撃するための兵器ばかりだ。
 大半の金は、私たち日本人が払った税金があてられる。いったん造られれば、100年以上は米軍に使われるだろう。米国の戦争はほとんど先制攻撃だが、その訓練は日本の領土、領海、領空で行われれる。
 中国や北朝鮮は、どう思うだろうか?
 目の前に侵略部隊である海兵隊の最新鋭基地ができるなら、対抗せざるを得なくなるだろう。ミサイルを増やし、ステルス戦闘機を増やし、空母を増やすかもしれない。当然、攻撃目標に追加されるだろう。
 そうなれば、米国も日本もそれへの対抗措置が必要となる。あくなき軍拡の悪循環だ。そうなれば、社会保障も教育予算も削って軍備にまわすしかない。
 しかし考えてみると、経済体制も違った米ソ冷戦時代と違い、日・米・中は資本主義国で、生産と流通と消費で相互の依存関係にある。戦争すれば、お互い大損失になってしまう。

 日・米・中には、それぞれの産軍複合体がある。軍事予算を国家からどう引き出すか?それぞれ苦労している。
 そのためには、攻めてくるかもしれない敵が必要だ。しかもそれを国民に煽ってくれるメディアも学者も、それぞれに必要だ。
 日・米・中の産軍複合体は、対立しつつも、上記の点で相互依存の関係にある。ときどき在庫一掃セールス&新兵器の実験の戦争も必要だ。人は死ぬ。
 日・米・中の個人には、相手国の個人になんのうらみもない。戦う理由もない。逆に連帯し共同しあう理由はある。
 自国の戦争勢力・産軍複合体への軍縮・軍備撤廃を求め社会保障などに予算を回すこと求めることだ。そのことで米・中、諸国民と連帯し、“安全保障の好循環”につなげることだ。日・米・中それぞれに平和になる。


.
 基地の被害は、沖縄が世界一としても、中国にも米国にもあるだろう。“安全保障の好循環”で基地の被害も、加害も減らせる。