サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

脱原発ドイツがフランスから原発電力輸入のウソ

 わたしゃー、だまされとりました。
 ドイツは脱原発に転換しようとしていると話をすると、「ドイツはフランスから原発で発電した電気を買っている」との反論を受けていた。
 「そうか、そういうこともあるのか…脱原発への過渡期なので多少はフランスから買っているのか…」→これが私の認識でした。勉強不足だった。
 「前衛」8月号の「原発廃炉・エネルギー転換の時代のいドイツから学ぶこと」(坂口明)が載っておりました。読んでみたら、逆だった。
 福島原発の事故が起こってからドイツは直ぐに、古い原発8基を閉鎖した。残りの8基も2022年までに廃炉にすることを決めている。
 8基の原発を止めた2011年でも、電力は輸入よりも輸出が多かった。ドイツは電力輸出国だった。しかも暖房用で秋・冬・春にかけて、一番電気を使う時期にドイツの電力輸出が増えている。
 しかも、この時期に輸出している相手は原発大国フランスです。電力需要がピーク時に、原発では電気が足りないからです。ドイツがフランスから電力を輸入するのは、市場で電機代が安い時期だそうです。他にも、ドイツを通過して他の国がフランスから電力を買っているものもあるという。でもトータルで輸出が多い。
 結局、原発は、需要に応じた発電の変動ができないためで、EUの電力網による融通は、原発依存のフランスにとっても都合がよかった。
 あらためて驚いたのは、ドイツの自然エネルギーです。
 発電量に占める自然エネルギーは2013年で23.4%。原発は15%程)太陽光発電が世界一(総量、一人当たり)、一人当たりの自然エネルギー(水力除く)発電とバイオマス発電で第2位となっている。11年後の2025年までに40〜45%にする計画。
 自動車では、優秀さとシェアを争いあう同じ工業国の日本とドイツ。
 原発の過酷事故を引き起こし、解決のめども立っていないのに原発再稼動・輸出に動く安倍・日本。日本の原発事故を教訓に、右も左も一致して脱原発、自然エネに確実に転換はかるドイツ。どこがちがうんでしょうか?
  
 

 2016年10月10日追記
 「間違ってますね」さんから指摘がされました。コメントに返しましたように、重要な指摘ですので修正させていただきます。
 「論文」の引用に、肝心な部分が欠落していました。その肝心な部分は、以下とおりです。
 

 フランスはドイツ経由でスイスやオランダに電力を輸出しているので、フランスとドイツ間の商業的な輸出入を見る事が必要だそうです。2010年と2012年の金額ではドイツの輸出がフランスを上回っているとのことです。(再生エネ普及のためドイツの電気代が高いなど様々な課題はあるでしょうけど)

 参考→ドイツの電力輸出入(ドレスデン情報ファイル)