サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

皮下注射モデル-メディアと政治②

 皮下注射モデルは、マスメディアが大衆に即時的な効果を及ぼすとした、1930年代のアメリカでの学説。メディアは直接的に国民を洗脳できるとし、「魔法の弾丸理論」とも呼ばれる。 今の日本の支配層とメディア、国民の関係を見ると、かなり近いとも感じる。特にテレビは分かりやすく、単純化して、繰り返し報道する。国民に直接不利益をもたらす消費税増税などを「しかたがない」と受け入れるさまを見るにつけ、特にそう思う。テレビで、偉い人とされる人が確信を持った感じ主張すれば、なんとなくそう思うようになる。

 1930年代のアメリカ、CBSラジオでドラマが放送された。1200万もの人がこのラジオを聴いてパニックにおちった。番組は、ラジオドラマで、H.G.ウェルズ作『宇宙戦争』と断った上での放送だった。だが「火星人襲来」ラジオの臨時ニュースとして放送したことを真にうけた。
 謎の隕石が落下した模様のニュースから始まり、飛来した宇宙船から宇宙人が出てきたとなり、宇宙人はタコのような姿をしているとなり、熱線を出して焼き払う様子を実況中継風に流した。さらに次々と都市を攻撃してニューヨークを向かっているとのアナウンサーの迫真のしゃべりは人々を恐怖に陥れた。車で逃走したり家族を隠れさせたりする人が続出してパニックに…。
 笑い話のようだが、今の日本では、それが緩慢にやられていて、恐怖におののいている。財政危機が襲来して子どもたちを苦しめる。だから苦しくても消費税増税も我慢が必要、そうすれば何とかなる…と。ところが財政危機・火星人(大企業)は、法人税の1・5兆円減税でウハウハである。