サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

ブータン⑤ 国王が国民を説得⇒立憲民主国家へ


 中国とインドに挟まれた小国として、長く鎖国状態にあったブータン。国際化への転機となったのは、第4代目ジメク・シンゲ・ワンチュク国王。なんとこの方、私と同い年の54才。インドとロンドン留学の経験が15才まであるが、72年、国王の逝去にともないわずか16才で王様に。彼は、当時、交通事情も悪かった村々を回って国民を対話をしたそうだ。
 76年第5回非同盟諸国会議に出席後の記者会見で「GNH(国民総幸福量)はGDPより重要」と発言し世界に発信。想像するに、国の現状とイギリスや欧米の大量生産・消費・廃棄社会を見て、感じるものがあったのではないか。同じ高1ぐらいの年頃でバイクで走り回っていた私とは大違い…。
 また、国王が国民を説得して、王政から立憲議会制民主主義へ移行したのも、どこかの国とちがい、歴史的にもあまり聞いたことがない話。
 先代からの動きはあったようだが、81年に中央集権から地方分権に移行、教育や飲み水の管理権限も委譲。憲法制定は法律化に任せるのではなく、各県から少数民族の人たちも参加して作成にあたったようです。新憲法(08年)で国王は、行政の権限がなく、議会は罷免権を持っている。国王に定年制を導入したのがおもしろい。亡くなってからバタバタ皇位継承よりもいいかもしれない。 社長や会長職など、死ぬまでせんで、元気なうちに早めに後任にまかせるほうがいいと思う。
 4代目のワンチュクさん、50才、06年には退位し、5代目に王位を継承している。かの国も、どこかの宗教団体も参考にしたらどうでしょうか。
(写真・日本のススキ、きれいデス。青い葉のうちに後継を、とは言わないまでも、綿帽子が残っている間に後任を…かなー)