サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

天皇制の課題と主権者

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 平成から令和へ、と代替わりがやたらと騒がしい。
 テレビは、特番を組み、深夜までお祭りを放映する騒ぎだ。各局とも視聴率アップを狙い、稼ぎ時としても、ちょっと…。
 国民は、天皇制の現状には無関心で、ただただ「時代が変わった」と大騒ぎし、喜んでいることに「大丈夫か?」と心配せずにはいられない。主権者として、天皇制は国民の総意であるのに、天皇制を議論しあうこともない。
 一方新聞は、それなりの問題意識も持ち、多角的に報じていて、少し安心感がある。
 昨日の続きとして、現在、天皇制にはさまざまな課題があるなかで、最大の課題は、その持続性だろう。各紙の記事、社説を見てそう思う。たとえば、
 明仁天皇が86才まで勤めて退位するとする。次の秋篠宮天皇は80才になる。新しい元号をお祝いして、わずか数年で退位、新しい元号となるだろう。その次の天皇になるだろ悠仁さんの結婚とその後継ぎ問題。王様の継承は、皇室典範で「男系男子」となっているから、結婚相手の女性には、「子ども生みなさい」「男の子を」と、それはそれはプレッシャーがかかるだろう。
 近年の夫婦、子どもを授かる可能性が少なくなり、その原因は男性の方大きい場合がある。そんな差し迫る現実から、天皇家としては、女性の天皇でもよいと、皇室典範の改正も期待するところだろう。
 ところが自民党政権は、その課題に正面から取り組もうとせず、国民にも議論も求めず封印している。その思想的背景となっている日本会議神社本庁などこそ率先して、この課題に取り組むのが本当の天皇主義だと思うが…不思議でならない。おそらく、明治、大正、昭和-戦前の天皇制こそ天皇制と思い込み、それ以前の長い天皇制、現代社会に合う天皇制については、敵視する考えがあると思われる。
 そう考えると辛いのは天皇家だろう。悲しいかな、自分の家族の事なのに、「国政に関する権能を有しない」ので、お家の継続の事さえ自由にできないし、発言もできない。国政の権能は主権者国民にあり、天皇の頼みの綱は主権者国民のみ。そんな自覚もないまま、議論もしないままのお祭り騒ぎ…。
 でも時は迫る、私たちも主権者らしい天皇制の在り方の議論を始めよう。自民党憲法「改正」案は、天皇の元首化です。天皇はイヤでもイヤとは言えない。言えるのは国民だけ。日本の民主主義の不確かさを感じる。