昨日の続き、元陸自東部総監の渡辺悦和氏の著書について。
米中戦争に至る場合の、米研究所の様々なケースのシュミレーションが紹介されていいる。都合よく核戦争は回避できる設定で米本国は安全で国益にそう。
軍事専門家なので、当然、相手国は何をするかわからない侵略国との想定、対処する米国と日本は正義の側で、武力にも優れるという論法である。
相手国、中国やロシアなども当然、同じように米国、日本に脅威を感じて、自国防衛のために軍備を拡大する事になる。相手国の軍事研究者も、渡辺氏のように、米国、日本が攻撃してくるとして、研究している事だろう。互いにそれが商売だ。
強国が弱い国に対して行う、「自衛」のための戦争、「抑止」を理由とした戦争準備。
歴史上、そんなことの繰り返しばかりだ。自国は正義と信じ込んでいるので始末に置けない。そしてほとんど危険な前線にはいかない安全な立場の人ばかりだ。
我が国が今やるべきこと と言う項目で渡辺氏は、「中国にしてもロシアにしても北朝鮮にしても強烈な力の信奉者である」と語る。
日本が信奉している米国こそ、救いようのない最強の「力の信奉者」だと、中国やロシアどころか、世界中から反論されそうだ。ベトナム戦争、イラク、アフガン戦争、中米各国への軍事介入、世界で一番戦争をしてきた歴史を持つ事実を示して。
飢える小国の北朝鮮が核とミサイルにしがみつくのは愚かなことだ。だがイラクのフセイン大統領の末路を示し、北朝鮮に学習させのは米国と「国際」社会だろう。
考えるべきは、国力のない弱い国、国民は、強国に対して、どうすべきか? と言うことだろう。
今、日本がやるべきことは、核廃絶-ICANのような運動だ。弱い国の人々が連帯し、強国の人々の連帯へとつなぐこと。強国指導者の戦争宣伝を、そこの国民が見抜くことだ。
急ぐべきことがある。渡辺氏は指摘しないが日本の最悪の脆弱ポイントである原発・核施設の防御と閉鎖・廃炉だ。
解釈のためではない、名実ともに「存立危機事態」の放射能まみれの人が住めない国土になる、格好の攻撃目標-原発・核施設を狭い日本中にちりばめておいて、「安全保障」?…何をかいわんや、だ。